Galaxyな彼は、【完】
- 6.頑張れは無神経 -
テスト期間も終盤。
私と彗が受けている授業のテストは全て終わって、あとはもう夏休み。
開放感に満ち溢れて1人、大学のエレベーターに乗り込む。
1Fのボタンを押して閉めるボタンを押した時だった、
ドンッーーーー
閉まりかけているドアから手が伸びてきて、ドアが閉まるのを阻止される、
「え、」
何事?!
再び開いたドア、
そこへ入ってきたのは、
「彗っ、なん、」
なんでって聞こうと思ったら、手で口を塞がれて、ノールックで閉まるボタンを押す彗。
それと同時に1Fボタンをもう一度押して、キャンセルされ、
ただの密室状態になったエレベーターの中2人きり。
「ごめん、ちょっと弱音はかせて」
「へ?」
深く帽子を被っている彗の顔は見えないけど、いつもとはトーンの違う声。
彗にしては荒々しいその手段に、余裕のなさが伺える。