Galaxyな彼は、【完】
「っ、」
戸惑う私を他所に、向かい合う彗は私の肩に頭を預けた。
ふわり彗の香りと、この距離。
「俺今日のレコーディング、ボロボロだった。…スタッフさんにも迷惑かけてさ、」
今日もテストだって言うのに、朝からレコーディングだったんだ…
「ツアー最終公演の打ち合わせも、うまく行かなくって、ドラマのセリフも全然入んねーの。」
これから撮影なのに、って呟く彗
サラサラした彗の髪が私の頬を掠める。
「彗…」
「おまけに海に教えてもらったテストもあんまり、出来なかった。」
ごめんな、って謝ってくるの。
…こんな弱気な彗初めて見た。
きっと珍しく色々重なったんだろう
今は隣に住んでるわけじゃないから分からないけど、きっとドラマもツアーもテストもあって、ほとんど眠れてないんだろうし
「彗、応援してるよ。」
言葉だけじゃ伝わらないような気がして、トントン、と彗の背中を叩く。
「っ、」
彗の身体がびくって反応するのがわかった。