Galaxyな彼は、【完】
目の前に彗がいなくてよかった。今、絶対真っ赤だ。
『寝るまでずっと繋いでていい?』
「え、」
思っても見なかった言葉に、固まる。
『俺が寝たら切ってくれていいから』
なんでそんなこと…私に頼むの?
『あ、それとも海もう寝る?』
「いや、まだ寝ないけど…」
まだ21時過ぎたところだし。
彗は明日早朝からロケが始まるらしい。セリフ覚えなきゃだけど疲れたから寝るんだって。
『なら、いい?』
甘えるような、おねだり上手な声に息を呑む。
ほんっと、こんなのどこで覚えたんだか。
「…分かった」
『ん、さんきゅー』
その喜んでいる声が聞こえてから、リアルに10秒後くらいに聞こえてきた寝息。
「好き…」
そっとスマホに向かって呟いても、彗には届かない。
しばらく、その寝息を聞いてから切ったことは彗には内緒。