Galaxyな彼は、【完】
「海は絶対ダメ」
「なんで?彗はずっと染めてるくせに」
「海はこのさらっさらな髪がいーんじゃん?」
そう言って、私の髪を掬い上げて、撫でるように大切なものを触るように優しく手を通す。
あまりの衝撃に止まった息を、なんとか吸って
「っ、ばか」
って悪態をつくことが精一杯だった。
…こんな無意識な甘さ耐えられるわけない。
「やっぱ、海と話すと落ち着くな。」
じっと見つめながら微笑んで、そういう彗。
霞のないの目と言葉に、私は戸惑う。
…人の気も知らないで。
「…はい、これレジュメ。」
おばさんに渡そうととしていたクリアファイルを渡す。
「いつもさんきゅー」
「経営学の課題だけど、7ページと、ここはやっておいた方がいいよ。」
「またまとめてくれたの?」
クリアファイルに貼ってある付箋を見て、キラキラと目を輝かせて来る。
子犬みたい…