学校一のイケメンと噂の先輩は、優しい吸血鬼でした
「何でどこにいるか分かったんですか?」
「お守りのおかげ。」
「え、これ?
中身なんなんですか?」
「え〜、聞いちゃう?俺の血。」
「えっ……。」
「引かないで引かないで。
一定量あれば自分の血が辿れるから、秦野ちゃんの居場所がわかったんだ。
秦野ちゃんのお友達ちゃんに、秦野ちゃんが3年生の女の子たちに呼ばれたって聞いて、慌てて探したんだよ。」
「そうだったんですね。
ありがとうございました。」
「いえいえ。」
「すごいですね、吸血鬼。
他に何ができるんですか?」
「自分の血なら操ったりもできるよ。使い道そんなないけど。
あ、でも鍵忘れたときとか便利。自分ちの鍵なら形覚えてるから、再現できるんだ〜。」
「…そんな使い方するんですね。
じゃああれは?十字架やニンニクがダメとか、あと日光で灰になるとか。」
「あ〜、混血の吸血鬼は大丈夫らしいけど、俺純血の吸血鬼だから割とその辺苦手。
まあ死ぬとか灰になるとかはないけど、十字架みたらうわぁ、ってなるし、ニンニクもうわぁ、ってなるし、日光当たるとしばらくその部分壊死する。」
「怖!え、あれ、でも普段どうしてるんですか?」
うわぁ、っていうのはよく分からなかったけど、最後のがインパクト強すぎてそっちが気になってしまう。
「え、聞いちゃう?」
「いちいちそれ言うのなんなんですか…。」
「ごめんごめん。こんな話気持ち悪いかな〜と思って。」
「気持ち悪い?なんでですか?」
「人間と違うし…、血液使ってるし…。
ちなみに、服で覆えないところは、うっす〜い血液の膜を張ってるんだよ。人間の目では確認できないくらいの。
あ、もちろん誰かに触れる時は、申し訳ないからその部分だけ一旦外すけどね。」
「すごい。器用なんですね、吸血鬼って。」
「…嫌にならなかった?」
「ん?どの部分でですか?」
「いや、そう思わなかったならいいんだ。
やっぱり俺、秦野ちゃん好きだなぁ〜。」
「急になんですか。やめてください。」