学校一のイケメンと噂の先輩は、優しい吸血鬼でした
5話
それから先輩は、吸血していないのを証明するためか、ただ一緒にいたいと思ってくれているのか、
放課後は私と一緒に帰って、休み時間も私の教室に来たりして、多くの時間を私と過ごした。
最初こそそれで何の問題もないように思えたけど、日に日に先輩の様子に違和感を覚えるようになっていた。
初めにそう思ったのは、先輩の婚約者さんが来たあの日から4日後。
その日はちょっと元気がないように見えた。
1週間後。
顔色が悪く、少し痩けたようにも思えた。
そして10日後。
明らかに体調が悪そうだし、話しててもふいに意識がどこかに飛んでいるようだった。
「先輩、体調悪いですよね?」
「ん?そんなことないよ?」
ここ数日、ずっとそう言われてきたけど、さすがにもう誤魔化しきれないレベルだと思う。
「そんなことあります。
足取りもなんだか覚束無いですよ。」
「そうかな。」
「どうしたんですか?
血が足りてないですか?」
「いや、それはちゃんと毎日飲んでるよ。
事情を話したら混血の友達が沢山くれたんだ。」
「それにしては具合悪そうですよ。」
「大丈夫大丈夫。帰ってまた飲めば元気になるよ。」
「本当ですか?」
「うん。安心して。」