学校一のイケメンと噂の先輩は、優しい吸血鬼でした
【城山奏side】
10日ほど前から人工血液で誤魔化してきたが、そろそろ限界がきていることに、さすがに自分でも気がついていた。
混血は人工的なものでなんら問題なく生きていけるが、純血は無理だと言われていた。
けど意外といけるんじゃないか、と思って試してみたが、無理だった。
このままいけば多分来月には死んでる。
でも秦野ちゃんを悲しませたくはないし、他の女から吸血する気は起きない。
そうなると、もうああするしかないのか。
でもそうすれば秦野ちゃんに負担をかけてしまう。
「先輩?」
あぁ、また意識が朦朧としていた。
「ごめんごめん、ぼーっとしてて。」
「ほんとに?大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。」
大丈夫なんかでは全くないが、そう言うしかない。
あ、けどダメだ。もうそろそろ無理そうだ……。
「え、先輩!先輩!?」
秦野ちゃんの声を聞いたのを最後に意識を手放した。