飲んで、のまれて 愛されて
私は道端で咳き込んでしまった

咳が止まらず呼吸もままならない


なに…!?なんで止まらへんの…!


咳の間に何とか呼吸をするがヒューヒューと乾いた音が鳴り満足に酸素が吸えない



「朱羽ちゃん!?どしたん!?」



心配そうに1人の男性が駆け寄ってきてくれた




声の主は純くんだった

返答したいけど咳のせいで言葉が出ない


「ゴホッゴホッ…だいっ…ゴホッ」



「あー、もういいもういい大丈夫ちゃうもん!おい!嵐!!!水!」


…嵐??
純くんの友達かな??



「水ってお前さっきいらんって言ったやん…って、えぇ!?」


ペットボトルを片手に銭湯から出てきたのは蘭くんだった


「ええから、はよ水!!!」


そう言いながら純くんは蘭くんからペットボトルを奪い取り私の背中をさすりながらゆっくりと水を飲ませてくれた。



数分後、咳はだんだんと落ち着いてきた
その間純くんは

大丈夫、落ち着いてと声をかけながらずっと背中をさすり続けてくれていた


話せる程度に咳が納まった私は純くんと蘭くんにお礼を伝えた



「ごべんねぇ…あじがど…」



咳の余韻のせいで喉がガラガラだった


「なんも喋れてないやん!!まあでも気にすんな!ってかなんでこんなとこにおるん?」



純くんに質問された私は
店で時間を潰そうと思ったけど色々あって店に入れないことだけを伝えた


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