飲んで、のまれて 愛されて
「分からないと思います!大切なものを無慈悲に奪われたことの無い人には…!私は嵐くんのことをよく知りません…。でも純くんなら心当たりあるんじゃないですか???嵐くんが不当に奪われたものの価値」


私の言葉を聞いたあと純くんは下を向いた



「朱羽ちゃんはなんでそんなこと分かるん…?まるで自分のことみたいに」



純くんの問いに私は微笑みながら答える



「得意なんです。国語」


「は???え??」

私の突拍子もない答えに純くんは口を開く


「作者の心情を答えろって問題。好きなんです。昔から本ばかり読んでたから」



純くんは笑いながら、なるほどな…と呟いた



「なんて…全部ホントの事は作者にしかわからんもんね」


そう言いながら
嵐くんの髪をサラリと撫でた




長々と純くんと話をしていると
私はもうすぐ仕事の時間になっていた


嵐くんと純くんにお邪魔しました
お騒がせしましたと 2度目の嵐くんの家を後にした



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