飲んで、のまれて 愛されて
「佐藤さん!!出前!やりましょう!」



私の閃いたアイディアは
近隣の飲み屋などの店舗さん向けに出前をするという提案だった


「うわ!それめっちゃありがたい!!唐揚げとか食べたいし!」


蓮くんはかなり乗り気だった
佐藤さんもそれめっちゃいいやん!!!と私のアイディアを採用してくれた



「また出前メニュー作って持ってきます!」


店長就任に新しい事の導入、蓮くんとの再会
全てがワクワクで私はやる気に満ち溢れていた



そして私たちはいい気分で家路に着いた





店長就任から1ヶ月は慌ただしく過ぎていった
覚えることも多くやっと慣れてきた私だったが

佐藤さんは新店に行ってしまったが
茉莉と裕汰も支えてくれてなんとか落ち着いてきた



そしてお酒の場で思いついた出前だったが後日アイディアとして再提出


無事採用されデザインやイラストが人より得意だった私は出前メニューの作成を任せてもらっていた


その出前メニューが今日やっと完成した



「ほんま、朱羽こういうの得意よなー」



閉店後の店内で出来上がったメニューをまじまじと見ていると
奥からひょこっと茉莉がでてきた


「このメニューあの飲み屋ビルに今日、配ってくるわ!その後Flower行く予定やけど茉莉もくる??」




営業終わりに2人でFlowerに行く約束をした
茉莉は家が近いので1度帰って荷物を置いてくることになった



その間に私はFlower以外の店舗さんに挨拶も兼ねてメニューを配りに行くことになった。




昔からある飲み屋ビル治安が悪いと勝手に思っていたけど1度店のドアを開けてみると多種多様の人々が快く迎え入れてくれた。


若いのに、頑張ってね!

こんなべっぴんさんがいるなら1度食べに行くわ!

夜中お腹空くからありがたい!

持ってきてくれるん!?助かるわあ!

お姉さんあの店でずっとバイトしてたよな、頑張ってたから覚えてるわ


こんな言葉を聞くだけで私は頑張ろうと思えた。


飲み屋ビルって怖いイメージがあったけど暖かい人ばかりで私はこの街をもっと好きになれた


茉莉からもうすぐつくと連絡があり
私は一足先にFlowerのドアを開けた


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