飲んで、のまれて 愛されて


純くんとダーツをしながら楽しく話しているうちにもう朝になっていた


気付けば店内には純くんと蓮くんと私だけになっていた。



「あれ?さっきのスタッフさんとお客さんは?」



さっきまでいたはずの2人が忽然と消えていることに気づいた。
もしかして2人でホテル…???
そんなことを考えていると純くんが口を開いた




「あれ?蘭どこ行ったんやろ。さっきのお客さんは帰ったと思うけど」


さっきのスタッフさん蘭くんって言うんだ…



帰ったお客さんの後片付けをしている蓮くんがカウンターから
あいつらホテル行ったんちゃうん!なんて笑っていた


ほんとにお持ち帰りとかあるんやなあと感心していると


お店のドアが勢いよく開いた
茉莉かなと思いドアの方を見ると
蘭と呼ばれていたスタッフが眉間に皺を寄せ首を鳴らしながら店内に入ってきた
先程の笑顔からは想像できないような表情だった



「誰がホテル行くねん、行くわけないやろ」



蘭と呼ばれていたスタッフは蓮くんの方をじろりと睨んだ
そしてそのままカウンターに腰かけ、その勢いでタバコに火をつけた


「蘭、まだお客さんおるぞ」


ダーツを投げていた純くんが蘭くんに後ろからダーツの矢をポスリと投げた



「痛ぁ!!!うわ、ほんまや、すません!!けど痛たい!!!」


蘭くんは私の方を見てすぐに
90度のお辞儀をした。


騒がしい人
それが蘭くんの印象だった
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