飲んで、のまれて 愛されて
「純ばっかりずるい!俺も可愛いことダーツしたい」


タバコの煙をふかしながら蘭くんは私の方に向かってきた
その時の表情はさっきの笑顔そのものだった

この時に確信した、この店のスタッフさんはみんな顔面偏差値が高い


「美人ちゃん、お名前は??」


蘭くんに名前を聞かれて朱羽と名乗った
名前を聞いた蘭くんは
顔も可愛いのに名前も可愛い!と笑ってくれた
顔はゴリゴリに元ヤン系の顔をしてるのにキャラクターのテンションのギャップについていけない



「朱羽ちゃん、俺ともダーツしよ!」


ダーツ盤の前に立った蘭くんは投げるジェスチャーをして私をダーツに誘った


さっきの女性客に向けていた笑顔と言い
1人で戻ってきた時の顔といい


蘭くんを掴めないまま
ダーツをすることになってしまった


「蘭!気を付けろ!!朱羽は今まで出会った中でダントツで上手い」



私に勝負を挑んで
ボロッボロに負けてベロベロに酔っ払った純くんがソファーに寝転びながら叫んでいた



「んー、朱羽ちゃん!蘭はじゅんじゅんより強いからテキーラかけて勝負だー!!!」


蘭くんはあどけない笑顔で一人称を自身の名前で呼びながら私に勝負を挑んできた

なんか全然さっきとキャラ違うんですけど…
という疑問はさておき、お酒は飲めないが負ける訳もないと思った私はその勝負をそのまま受けいれた




ダーツのゲームは私が選ぶことになり自分の得意なクリケットというゲームを選択した


ダーツはワンターン3本の矢を交互になげて遊ぶゲームだ

その中でもクリケットは1~20までの数字と真ん中であるブルの合計21マスあるダーツ盤の中で15~20とブル、合計7マス飲みを使ったゲームだ
全ての数字の外側1.5cmが×2倍
内側の1.5cmが×3倍

と特殊な色分けもされている
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