犬になって君と過ごした『特別な時間』
 芽依の部屋から出る。
 抱っこされて階段を下り、一階のリビングへ。

 それから彼女はキッチンに行き、俺のご飯の準備をし始めた。

「パピちゃん、ご飯だよー」

 そう言いながら、キッチンから戻ってきた芽依が床にお皿を置いた。
 俺がお皿の上にあるドックフードを食べようとすると芽依が言う。

「待て!」

 勝手に身体がドックフードの前で動けなくなった。

「よし!」

 その芽依の言葉とともに動けるようになると、すぐにご飯を食べた。

 ――命令されると勝手に身体が動いてしまう……そもそも、なんで俺はパピちゃんなんだ?


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