YUZU
謎の女子高生との日常 ~木曜日~
七夕の夢
また、夢を見ていた。
柚樹は誰かと手を繋いでいた。見上げるほどの長身。とても大きい人だ。
そうじゃない。柚樹が小さいのだ。
『柚樹、七夕しようか』
(ママだ)
声を聞いただけで、すぐにわかった。
『ななばた?』
『そう、ななばた。短冊にお願い事を書くのよ~』
『はい。これはパパの分ね』
『いきなり言われても笹がないぞ』
困った顔をする父さん。なんか、若い。髪も短くてツンツンしている。
『大丈夫よ! じゃーん』
幼い自分と同じ背丈の柚の木の前で、ママが笑った。
『柚の木ちゃんにお願いしぃましょっ!!』
元気なママを見て、よかった~と、柚樹は心底安堵していた。
ママはもう治ったんだ、と、思っていた。
柚樹は誰かと手を繋いでいた。見上げるほどの長身。とても大きい人だ。
そうじゃない。柚樹が小さいのだ。
『柚樹、七夕しようか』
(ママだ)
声を聞いただけで、すぐにわかった。
『ななばた?』
『そう、ななばた。短冊にお願い事を書くのよ~』
『はい。これはパパの分ね』
『いきなり言われても笹がないぞ』
困った顔をする父さん。なんか、若い。髪も短くてツンツンしている。
『大丈夫よ! じゃーん』
幼い自分と同じ背丈の柚の木の前で、ママが笑った。
『柚の木ちゃんにお願いしぃましょっ!!』
元気なママを見て、よかった~と、柚樹は心底安堵していた。
ママはもう治ったんだ、と、思っていた。