YUZU

ワンプレート朝食

 朝食はワンプレートになっていた。
 いちごとキウイのフルーツサンド、ミニトマト、ほうれん草とハムと目玉焼きのココット。
 それからえのき茸のソテーっぽいもの。

 フルーツサンドは生クリームの代わりにヨーグルトが塗ってあった。
 さっぱりしていて生クリームがあんまり好きじゃない柚樹はこっちの方が好きだなと思う。
 ココットは母さんが土日の昼に作るものと似ていた。

 そんでもってえのき茸!!
 なめこのように、ぬめっとなめらかなのに、シャクシャクの食感がたまらない。
 味付けはバター醤油? にしてはちょっと酸っぱい。
 とにかく柚樹の好みの味。箸が進む。

「それねぇ、えのき茸をレンチンして、バターと味ぽんであえるだけなのよ」と柚葉が、柚樹を見ながら得意げに説明する。

「へえ。オレでも作れそう」
「もちろん、柚樹でもつくれ」
 言いかけた柚葉は、ハッとしたように中庭に目をやった。

「? どうかした?」
「ううん……たまにはこういうブランチっぽいのもいいわよね。中庭を眺めながらのんびりと」
 取り繕うように笑う柚葉。

「?」
 変なの、と思ったけど、柚葉が変なのは今に始まったことじゃない。

(んなことより)
 早く出かけたくて、身体がうずうずしている。

「ごちそうさま!」
 あっという間に朝食を完食した柚樹は、さっさと食器を片付けにかかった。

(CCパーク、CCパーク)
 わくわくが止まらない~

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