ずっと、そばにいるよ2

課外授業終了

2泊3日の課外授業が終わった。

泊まりの間に花火の煙を吸うというトラブルもあり、発作を何度か起こし、帰る日には熱も出てしまった美優…

しばらくは酸素が外せない状態になった。


〜ナースステーションにて〜
「鳴海先生、美優ちゃんちょっと熱が上がってきました。クーリングしますか?」

看護師が報告する。

「わかった。嫌がるかもしれないけど、点滴の解熱剤はまだ使えないから、坐薬入れてくれる?クーリングもお願い」

「わかりました」

看護師に準備を頼み、美優の病室に向かう。

美優は起きてるがボーとしている。

「美優?熱また上がってきちゃったみたいだから、看護師さんに坐薬入れてもらって早く熱下げような?」

「…え?坐薬?やだ…」

「点滴の解熱剤毎回は使えないんだ。辛いでしょ?」

「ん〜、やだ…美優…坐薬やらない…グスン」

体のダルさと熱が上がる不快感でグズってんな…

「うん…熱が上がったら美優が辛いからさ、ちょっと我慢できない?」

「やだって言ってる…やなの…ハァ、ハァ」

「美優、興奮しないよ。ゆっくり息吸って?」

「坐薬しない…しないから…グスン、ハァ、ハァ」

ダメだなこりゃ…

病室にさっきの看護師が入ってきた。

「看護師さんごめん、美優こんなだから坐薬しないで、クーリングだけで様子見るわ。悪いな」

航也は布団に潜ってしまった美優を指さして言う。

「わかりました。美優ちゃん、冷たい氷枕入れようね?冷たくて気持ちいいでしょ?」

「うん、冷たくて気持ちいい…」

しばらくして美優はまた眠ってしまった。

外来に行く時間になり、航也は看護師に美優を任せ、外来へと向かう。


向かう途中、翔太とすれ違った。

「おっ翔太!」

「航也、おはよう。美優ちゃんどんな?」

「また熱が上がってきてて、ダルいんだろ…すこぶる機嫌が悪いわ」

「そっか。俺も午後美優ちゃんの病室に顔出してみるわ。
そうそう、実はさ、課外授業から帰って来た翌日に華も熱出してさ、2日後の今日もまだ熱が下がらないって連絡来てたんだ。咳が出るみたい」

「え?そうなの?もっと早く言えばよかったのに。学校休んでるの?」

「そうみたい」

「病院来れれば俺が診るよ?」

「そうしてもらえる?華に聞いてまた連絡するわ」

「おけ。華もボランティアで動き回って疲れたんだな」

「だな。俺らだって疲れたくらいだから、華や美優にはこたえるよ」

「そうだな。じゃあまたな」

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