ずっと、そばにいるよ2
〜翔太と華〜
航也と分かれた2人は駐車場に向かう。

職員駐車場まで職員専用通路を通るが、通路の出入口は職員カードがないと開かない。

華は何だか特別な気持ちになる。

警備員のおじさんに軽く会釈をして、翔太の車に乗り込む。

「よし、さぁ帰ろうか。気分悪くなったら教えて?」

「うん」

それから華の実家に寄り、華が荷物の準備をしている間、翔太は両親とコーヒーを飲みながら待っている。

時より両親と翔太の笑い声が聞こえる。

華はこれから始まる同棲生活に胸驚かせながら、準備を進める。

嫁に行く人ってこんな気分なのかな…(笑)

「準備できたよ!」

「華、ちゃんと翔太君の言う事聞くんだぞ」
「どうか華をよろしく頼みます」

お父さんに続けて、お母さんもお辞儀をする。

「やだ、結婚じゃないんだから大袈裟な…」

華はすかさずツッコミをいれる。

「いや、華、それくらいご両親は華のことを大切に育ててくれた証拠だよ。僕で良ければ華のこと全力でサポートしていきます。こちらこそ、宜しくお願いします」

翔太は華に軽く説教して、両親に深く頭を下げた。

(まったく、翔太の印象爆上がりじゃん(笑))

それから実家で夕飯をご馳走になって、翔太のマンションに向かった。

退院初日でバタバタして疲れた…。

「華、先にお風呂に入っておいで」

翔太の部屋には何度が来ているがお泊りは初めて。

「うん」

それからお風呂から出て、翔太を待っている間にソファで寝てしまった。

「はな?華?」

翔太の優しい声で目覚める。

「ベッド行こう?体調悪くない?」

頷く華を見て、華を抱いてベッドに寝かせる。

「ん?少し微熱があるかな?」

体温計をすべり込ませ測ると、37.2℃。

華が寝たのを確認してから寝室を出て、一応航也に報告する。

「もしもし、航也?」

「もしもし、翔太?どうした?」

「夜に悪いな。あれから、華の実家に寄って夕飯ご馳走になってからマンションに来たんだけど、華が微熱でさ。一応航也に報告しとこうと思って」

「何度?今、華は?」

「37.2だった。お風呂入ってからすぐ寝たんだけどな」

「息はどんな?」

「特に苦しそうとかはないよ。スヤスヤ眠ってる」

「じゃあ、様子見てていいよ。もし急激に発熱したら教えて?退院初日だからな、ある程度は仕方ないけどな」

「あぁ、わかった。仕事中悪かったな。お前も早く帰れよ?」

「あぁ、じゃあな」

それから華は朝までぐっすりだった。

「華おはよ。具合は?」

「おはよう。ん、大丈夫みたい」

「よかったな。まだあまり無理するなよ。航也が高校は来週から行くようにって言ってたから、それまで家でゆっくりしてな?家事しなくていいからな」

翔太は色々気にかけてくれる。

それから朝ご飯を2人で食べて、翔太は出勤していった。
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