ずっと、そばにいるよ2
〜翔太〜
課外授業から帰って来た翌日、華は熱を出した。

それから2日間経っても、華の熱は下がらず、咳も出ているようだ。

航也に診てもらおうと、華の携帯に連絡するが一向に出ない。

翔太はとりあえず華の自宅に向かった。

華の自宅は病院から車で15分くらいの距離にある。

インターホンを何度か鳴らすが応答はない。

(ん?親が受診に連れて行った?いや、今日は仕事でいないと華が言っていたはず…)

締まってると思ったが、ダメ元で玄関のドアノブを引いてみる。

…ガチャ

ん?開いた…
やっぱり中にいるのか…

「華?いる?」

玄関から呼び掛けるがシーンと静まり返っている。

「はなー?はなー?いるー?」

翔太はもう1度声を掛けるが反応なし。

「はなー、入るよー?」

黙って人様の家に上がるのは気が引けるが、華が倒れていたら大変。

恐る恐る家に上がり、2階の華の部屋に向かう。

翔太は何度か華の家に来ていて、華の家族とも顔見知り。
家の間取りも何となく分かる。

2階に上がり、華の部屋の扉をゆっくりと開ける。

「はなー?」

そこにはベッドの下に倒れている華の姿があった。

「華っ!華!おい!どした?」

体が異常に熱く、苦しそうに息をしている。

呼び掛けに応答がない。

翔太は慌てて航也に連絡する。

「もしもし!航也?華、部屋で倒れてた。意識朦朧としてて、呼吸はしてるけど苦しそう。
うん、そうそう、わかった、すぐ呼ぶわ」

今すぐ救急車を呼ぶようにと航也に言われ、震える手で119を押す。

救急車を待つ間も華に必死に呼び掛ける。

「華!華!熱測るよ!しっかりして!」

熱を測ると40.2度の数字を見て驚く。

華はぐったりしていて、それでも必死に息をしているのが分かった。

「くそ!もっと早く来てやればよかった…華ごめんな…

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