ずっと、そばにいるよ2
〜航也〜
翔太の連絡を受けて、航也は救急外来に駆け出す。

走りながら、救命センターのスタッフにピッチで連絡し、受け入れ態勢を整えてもらう。

(華、どうしたんだ…風邪からの肺炎か?インフルか?それとも違う病気か…一先ず華を診ないことには何もわからない)

数十分後、華がストレッチャーで運ばれてきた。

「杉村華さん、17歳。自宅内で倒れていた所を発見されました。HR130、BP80/54、P30、BT40.2、酸素5リットルでSpO293%です」

救急隊員がバイタルの報告を上げる。

「ありがと。華?わかる?わかったら手握って?」

呼び掛けにうっすら目は開くが焦点が合わず、手も握り返さない。

(高熱、頻脈、低血圧…脱水起こしてんな…肺の音もかなり悪い…)

「まず点滴落として。点滴つないだら、このまま酸素したままでレントゲン行こう」

航也は次々に指示を出す。

ストレッチャーで隣のレントゲン室に移り、胸の写真を撮る。

映し出された華のレントゲン画像は、両肺が真っ白で完全に肺炎になっていた。

「マズイな…」

航也はボソッとつぶやく。

「かなり真っ白ですね…挿管するかしないかの瀬戸際ですね…」

救命センターの医師も危険な状態なのを感じる。

「そうだな…酸素上げて少し様子みるかな。すぐに抗生剤の点滴入れないとだな」

「そうですね。入院は避けられませんね。集中治療室のベッドに入れますか?」

「そうだな。24時間管理の方がいいから、集中治療室のベッド空きあるか聞いてもらえる?」

「わかりました」

それから華は集中治療室で経過を見ることになった。

状態としてはかなり危険で予断を許さない。
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