恐怖のギロチン回避! 皇太子との婚約は妹に譲ります〜
19話
――アオ、また会おうなっ。
アオに向けてそう言い、ニヤニヤ笑うアオの昔の仲間。……カサンドラは振り向かずアオの手を引き、側で待っていたシュシュの手も掴んで、冒険者ギルドの外に出てアオに話しかけた。
「ねぇアオ……」
「……ん?」
アオが話していたのは昔のパーティーかな……と、話を聞きたいけど、これはアオのプライバシーになる。カサンドラはそう考えながら、人のプライバシーを遠慮なく聞いてくる、令嬢達のことを思い出していた。
『カサンドラ様、彼方にアサルト殿下と妹のシェリィ様がご一緒でしたわよ』
『あら、お二人仲良さそうね』
とかね、もうウンザリだった。
なぜ、そんなにカサンドラの事が気になるの? と思ったけど……表情をださずに笑っていた。それが彼女達の気持ちを逆撫でしたのか、有る事無い事、噂を広められる様になった。
(それから誰も、近寄らなくなったのよね)
カサンドラは微笑み。
「アオ、今日は冒険に連れてきてくれてありがとう。また来ましょうね」
「そうだな。……まっ、次も採取クエストになるけど」
採取クエストをクリアして経験値が入ったのだけど、私とシュシュはまだレベルは一のまま。
「そんな事は気にしないわ。何事も楽しければいいの」
「楽しいか、それが一番だな。そろそろ、ここを出発して国境を超えないと日が暮れる……夜の、この街は酒場とか花街が開店するから危険だ」
みんなで荷馬車に戻る準備中『グゥ――ッ』とお腹がなった。今から帰ると屋敷に着くのは夜になる、作ってきたオヤツはお昼に全て、みんなで平らげてしまった。
(これは別荘までもたない。何か食べ物を買って食べながら帰りたいわ)
「アオ、シュシュ、荷馬車に行くのストップ! 私、お腹が空いたわ、近くにパン屋かケーキ屋を知らない?」
「近くのパン屋とケーキ屋か? それならオレの行きつけで、美味いパン屋があるけど行くか?」
「美味しいパン屋? じゃ、案内をよろしく」
「ドラとシュシュは、オレから離れず着いてこいよ」
アオは路地に入った所にある、木造作りのパン屋にカサンドラ達を案内してくれた。
「ここがオレの行きつけ、ミルンのパン屋だ」
「パンの焼ける香ばしい香り、はやく店に入りましょう!」
「はい、とてもお腹のすく匂いです」
焼き立てのパンの香りがする「ミルンのパン屋」扉を開けると"リリ―ン"とドアベルが鳴った。
「いらっしゃいませ」
店の中から元気で可愛い声が聞こえ、カサンドラ達をむかえたのは――淡いピンク色のワンピースを着て真っ白なエプロンを付けた、頭に長い耳が生えた獣人の女の子。
――この子、ウサギの獣人の子ね、可愛い!
そのウサギちゃんは。
「アオにぃだ! さいきん店に来なくなったから……もう、来てくれないのかと思った」
と、アオの膝に飛びついた。
アオは、そのウサギちゃんを抱っこして。
「ごめんな……チロ、元気にしていたか?」
「うん、わたしとパパは元気だけど……ママは今、風邪で寝込んでいるの」
お母様が風邪だと、少し悲しげに話すウサギちゃん。
アオも事情を知っているのか、ウサギちゃんの頭をやさしく撫でた。
「そうか……それじゃ、風邪の薬がいるな」
「うん、パパがパン屋の後、冒険に出て風邪の薬を探しているのだけど……見つからないみたい」
「そうか……あの風邪薬になる薬草は見つけにくいからな。オレも冒険に出て探してみるよ」
二人の話を聞いて『私も!』と!カサンドラも言いたかったけど……初めお会いした、カサンドラが言うのは迷惑かもしれない。
(だけど……すごく、心配)
だと、表情に出ていたらしいく。
「ドラ、シュシュ、一緒に探してくれないか?」
アオが誘ってくれた。
「え、私もいいの? 全力でお手伝いしますわ」
「力になれるかわかりませんが、ドラお嬢様と一緒にさがします」
ウサギちゃんはアオから降りて、カサンドラ達に。
「ありがとう、お姉ちゃん達、チロうれしい!」
と、抱きついた。
(この子、可愛い。お姉ちゃん……もっと、ウサギちゃんを喜ばせたいわ)
「チロちゃん、もうパン屋は閉店の時間かしら? 残っている、パン全部くださる?」
「残ったパンを、ぜ、ぜんぶ? お姉ちゃんいいの?」
「えぇ、私、お腹ぺこぺこなんです」
「はい、私もお腹ペコペコです」
ウサギちゃんの表情が、花が咲いたように笑顔になった。
「おにぃ、お姉ちゃん達ちょっと待っていて。パパ、パパ、店のパンを全部、買いたいってお客様がきたよ」
ウサギちゃんが店の奥に入って行ってすぐ『なんだと?』野太い声、ガタイのいいウサギさんがフリフリのエプロン姿で出てきた。
アオに向けてそう言い、ニヤニヤ笑うアオの昔の仲間。……カサンドラは振り向かずアオの手を引き、側で待っていたシュシュの手も掴んで、冒険者ギルドの外に出てアオに話しかけた。
「ねぇアオ……」
「……ん?」
アオが話していたのは昔のパーティーかな……と、話を聞きたいけど、これはアオのプライバシーになる。カサンドラはそう考えながら、人のプライバシーを遠慮なく聞いてくる、令嬢達のことを思い出していた。
『カサンドラ様、彼方にアサルト殿下と妹のシェリィ様がご一緒でしたわよ』
『あら、お二人仲良さそうね』
とかね、もうウンザリだった。
なぜ、そんなにカサンドラの事が気になるの? と思ったけど……表情をださずに笑っていた。それが彼女達の気持ちを逆撫でしたのか、有る事無い事、噂を広められる様になった。
(それから誰も、近寄らなくなったのよね)
カサンドラは微笑み。
「アオ、今日は冒険に連れてきてくれてありがとう。また来ましょうね」
「そうだな。……まっ、次も採取クエストになるけど」
採取クエストをクリアして経験値が入ったのだけど、私とシュシュはまだレベルは一のまま。
「そんな事は気にしないわ。何事も楽しければいいの」
「楽しいか、それが一番だな。そろそろ、ここを出発して国境を超えないと日が暮れる……夜の、この街は酒場とか花街が開店するから危険だ」
みんなで荷馬車に戻る準備中『グゥ――ッ』とお腹がなった。今から帰ると屋敷に着くのは夜になる、作ってきたオヤツはお昼に全て、みんなで平らげてしまった。
(これは別荘までもたない。何か食べ物を買って食べながら帰りたいわ)
「アオ、シュシュ、荷馬車に行くのストップ! 私、お腹が空いたわ、近くにパン屋かケーキ屋を知らない?」
「近くのパン屋とケーキ屋か? それならオレの行きつけで、美味いパン屋があるけど行くか?」
「美味しいパン屋? じゃ、案内をよろしく」
「ドラとシュシュは、オレから離れず着いてこいよ」
アオは路地に入った所にある、木造作りのパン屋にカサンドラ達を案内してくれた。
「ここがオレの行きつけ、ミルンのパン屋だ」
「パンの焼ける香ばしい香り、はやく店に入りましょう!」
「はい、とてもお腹のすく匂いです」
焼き立てのパンの香りがする「ミルンのパン屋」扉を開けると"リリ―ン"とドアベルが鳴った。
「いらっしゃいませ」
店の中から元気で可愛い声が聞こえ、カサンドラ達をむかえたのは――淡いピンク色のワンピースを着て真っ白なエプロンを付けた、頭に長い耳が生えた獣人の女の子。
――この子、ウサギの獣人の子ね、可愛い!
そのウサギちゃんは。
「アオにぃだ! さいきん店に来なくなったから……もう、来てくれないのかと思った」
と、アオの膝に飛びついた。
アオは、そのウサギちゃんを抱っこして。
「ごめんな……チロ、元気にしていたか?」
「うん、わたしとパパは元気だけど……ママは今、風邪で寝込んでいるの」
お母様が風邪だと、少し悲しげに話すウサギちゃん。
アオも事情を知っているのか、ウサギちゃんの頭をやさしく撫でた。
「そうか……それじゃ、風邪の薬がいるな」
「うん、パパがパン屋の後、冒険に出て風邪の薬を探しているのだけど……見つからないみたい」
「そうか……あの風邪薬になる薬草は見つけにくいからな。オレも冒険に出て探してみるよ」
二人の話を聞いて『私も!』と!カサンドラも言いたかったけど……初めお会いした、カサンドラが言うのは迷惑かもしれない。
(だけど……すごく、心配)
だと、表情に出ていたらしいく。
「ドラ、シュシュ、一緒に探してくれないか?」
アオが誘ってくれた。
「え、私もいいの? 全力でお手伝いしますわ」
「力になれるかわかりませんが、ドラお嬢様と一緒にさがします」
ウサギちゃんはアオから降りて、カサンドラ達に。
「ありがとう、お姉ちゃん達、チロうれしい!」
と、抱きついた。
(この子、可愛い。お姉ちゃん……もっと、ウサギちゃんを喜ばせたいわ)
「チロちゃん、もうパン屋は閉店の時間かしら? 残っている、パン全部くださる?」
「残ったパンを、ぜ、ぜんぶ? お姉ちゃんいいの?」
「えぇ、私、お腹ぺこぺこなんです」
「はい、私もお腹ペコペコです」
ウサギちゃんの表情が、花が咲いたように笑顔になった。
「おにぃ、お姉ちゃん達ちょっと待っていて。パパ、パパ、店のパンを全部、買いたいってお客様がきたよ」
ウサギちゃんが店の奥に入って行ってすぐ『なんだと?』野太い声、ガタイのいいウサギさんがフリフリのエプロン姿で出てきた。