恐怖のギロチン回避! 皇太子との婚約は妹に譲ります〜
30話
お祖母様が言っていた通り、楽しいことが起きた。
庭のスルールの低木にフワフワで真っ白、蜂蜜色のフワフワな髪の小さな女の子がいたのだ。カサンドラはとなりのアオの手をつかみ、見てみてと興奮する。
「アオ、小さな女の子よ! お祖母様が言っていた楽しいことって、この事でしたのね、可愛いわ」
「お、おぉ、ドラ、ドラ、オレも見えているから……そ、そんなに手を引っ張るなって!」
アオの話を聞かないカサンドラは手を離して、今度は肩を持ちブンブン揺らした。いくら、やめろと言っても聞かないカサンドラと、やられ放題のアオ。
そんな二人に可愛らしいクスクスと笑う声が、どこからか聞こえてきた。
「あら、笑い声?」
「聞こえるな」
スルールの低木の周りにいた小さな女の子は、カサンドラ達の存在に気付き、周りをクルクル飛んでいた。
「ウフフ、人間さん、獣人さん、こんばんは。あたち、スルールの実が欲しいの」
「え、スルールの実? あ、ごめんなさい……今日、植えたばかりなの……スルールの実は明日にならないと実らないわ」
「明日? そっか、明日になったら実を付けるのね。ウフフ、楽しみに待つね」
女の子は可愛く笑い、カサンドラとアオの前でスカートを掴み、ペコリと会釈する。
「あたち、名前はキリリというの。これから、このスルールの木に住むからよろしくね」
キリリと名乗った女の子は、スルールの低木を住処にするといった。こんなに可愛い子がここに住んでくれるなんて嬉しい。
カサンドラとアオは、女の子に会釈を返して。
「キリリちゃん、私はカサンドラ。こちらこそ、よろしくね」
「オレはアオ、よろしくな」
「うん、カサンドラとアオよろしくね~」
次の日。カサンドラは新しい家族が増えたと、朝食のときにシュシュとお祖母様に報告した。
その報告にシュシュはシュンと肩を落として「ドラお嬢様、なぜ、私を起こさなかったのですか」と、シュシュは頬を膨らませて怒っていたけど。
庭にいる女の子をみた途端、頬を赤らめ「可愛い」「ここに住むのですか?」と、怒っていたことすら忘れて、小さな女の子に見入っていた。
「ねぇ、シュシュあの子って物語に出てくる、妖精さんに似ていない?」
「あ、本当です! 挿絵とか物語に書かれる容姿が、どことなく似ています」
そんなカサンドラとシュシュに、お祖母様はウンウン頷き。
「そうだよ、あれが妖精さ。よくお聞き、カサンドラ、シュシュ、タヌっころ。スルールにの実に惹かれた妖精が住むと、その家は安泰するという言い伝えがある。スルールの種は誰もが簡単に見つけられるものじゃない、この木と妖精を大切にしなさい」
――まぁ、誰にも簡単に見つけられない⁉︎
「はい、大切な私の家族ですもの」
「大切にします!」
「守らないとな」
みんなで、可愛い妖精を見つめた。
「ねぇ、シュシュ、とても素敵なことね。二人でよく話していた、物語の中にしか出てこないと思っていた……妖精さんに私達は会えた」
「はい! ドラお嬢様、会えました」
庭のスルールの低木にフワフワで真っ白、蜂蜜色のフワフワな髪の小さな女の子がいたのだ。カサンドラはとなりのアオの手をつかみ、見てみてと興奮する。
「アオ、小さな女の子よ! お祖母様が言っていた楽しいことって、この事でしたのね、可愛いわ」
「お、おぉ、ドラ、ドラ、オレも見えているから……そ、そんなに手を引っ張るなって!」
アオの話を聞かないカサンドラは手を離して、今度は肩を持ちブンブン揺らした。いくら、やめろと言っても聞かないカサンドラと、やられ放題のアオ。
そんな二人に可愛らしいクスクスと笑う声が、どこからか聞こえてきた。
「あら、笑い声?」
「聞こえるな」
スルールの低木の周りにいた小さな女の子は、カサンドラ達の存在に気付き、周りをクルクル飛んでいた。
「ウフフ、人間さん、獣人さん、こんばんは。あたち、スルールの実が欲しいの」
「え、スルールの実? あ、ごめんなさい……今日、植えたばかりなの……スルールの実は明日にならないと実らないわ」
「明日? そっか、明日になったら実を付けるのね。ウフフ、楽しみに待つね」
女の子は可愛く笑い、カサンドラとアオの前でスカートを掴み、ペコリと会釈する。
「あたち、名前はキリリというの。これから、このスルールの木に住むからよろしくね」
キリリと名乗った女の子は、スルールの低木を住処にするといった。こんなに可愛い子がここに住んでくれるなんて嬉しい。
カサンドラとアオは、女の子に会釈を返して。
「キリリちゃん、私はカサンドラ。こちらこそ、よろしくね」
「オレはアオ、よろしくな」
「うん、カサンドラとアオよろしくね~」
次の日。カサンドラは新しい家族が増えたと、朝食のときにシュシュとお祖母様に報告した。
その報告にシュシュはシュンと肩を落として「ドラお嬢様、なぜ、私を起こさなかったのですか」と、シュシュは頬を膨らませて怒っていたけど。
庭にいる女の子をみた途端、頬を赤らめ「可愛い」「ここに住むのですか?」と、怒っていたことすら忘れて、小さな女の子に見入っていた。
「ねぇ、シュシュあの子って物語に出てくる、妖精さんに似ていない?」
「あ、本当です! 挿絵とか物語に書かれる容姿が、どことなく似ています」
そんなカサンドラとシュシュに、お祖母様はウンウン頷き。
「そうだよ、あれが妖精さ。よくお聞き、カサンドラ、シュシュ、タヌっころ。スルールにの実に惹かれた妖精が住むと、その家は安泰するという言い伝えがある。スルールの種は誰もが簡単に見つけられるものじゃない、この木と妖精を大切にしなさい」
――まぁ、誰にも簡単に見つけられない⁉︎
「はい、大切な私の家族ですもの」
「大切にします!」
「守らないとな」
みんなで、可愛い妖精を見つめた。
「ねぇ、シュシュ、とても素敵なことね。二人でよく話していた、物語の中にしか出てこないと思っていた……妖精さんに私達は会えた」
「はい! ドラお嬢様、会えました」