恐怖のギロチン回避! 皇太子との婚約は妹に譲ります〜
48話
セリィーヌお祖母様が別荘へとお戻りになったのは、一週間後だった。一度、ギンの弟――ラハに渡す魔道具を取りに戻り、カーシン国へ行ったきりお祖母様はしばらく帰ってこなかった。
その間、カサンドラ達はドレスに必要な材料を買いに、タサの街に行ったり。カーシン国で冒険とカサンドラが欲しがった、魔石ストーブを買いに向かったりしていた。
タサの街で手に入れた情報誌に。アサルト皇太子殿下と、シャリィの婚約式の舞踏会の話が載っていた。
内容は、王都で有名な衣裳店のデザイナーに舞踏会のドレスを頼んだとか、国一番の宝飾品を準備したとか。
これは、かなり豪華な舞踏会になるわね。
あの後――カーシン国の、ララサの街の冒険ギルドでギンに会ったとき、彼はパーティーの前でアオに頭を下げて謝った。弟のラハはあれから元気でモリモリ食事を取り、体も動かせるようになったと喜んだ。
『よかったな、大切にしてやれよ』
『ああ、みんなと話し合ったんだが、アオがもしよかったら……アオと、お嬢さん2人も一緒にパ、パーティーへ戻らないか?』
『その話は嬉しいけど、断る! これ以上ライバルは増やしたくない』
『なんだよそれ、わかったよ。困ったとき言えよ、助けに来るから』
カサンドラとシュシュがクエストボードを見ている間に、ギンとアオだけで話し合い決めていた。
♱♱♱
アサルト皇太子殿下とシャリィの舞踏会まで、後1ヶ月となった。カサンドラは慌てることも怖い夢を見なくなり、楽しい日々を過ごしているし、妹から来た手紙に返信もした。
本日はシュシュとタサの街からの帰り、庭で剣の訓練をするアオに声をかけた。
「アオ君、タサの街でいい鳥のお肉が手に入ったわ。お昼はオリーブオイルで揚げる、鳥のフリート(鳥の揚げ物)にしましょう」
「お、いいな」
「ドラお嬢様、アオ君、天気がいいのでセリィーヌ様を誘い、庭でお昼を食べませんか?」
シュシュの提案にカサンドラとアオは頷き、キッチンで並んで、昼食の準備をはじめた。塩コショウをした鶏肉に薄力粉をまぶして、卵にくぐらせて熱したオリーブオイルで揚げる。
「揚げ物の香りっていいわ、食べすぎちゃいそうね」
「ドラお嬢様、食べ過ぎたら一緒に運動しましょう」
「オレも参加する!」
「えぇ、みんなで運動しましょう!」
3人で仲良く料理を仕上げて、テラス席に運んでいた。
そのカサンドラ達の真上、バサバサと羽音が聞こえ空を見上げた。
「まぁ、図鑑で見たことがある……真っ白なトカゲかしら?」
「えぇ、真っ白なトカゲですね……」
「違う、ドラ、シュシュあれはトカゲではない――ドラゴンだぁ!」
「「ドラゴン⁉︎」」
「【若人達よ……ここに愛しきセリィーヌがいると聞いた、いるのか?】」
その真っ白なドラゴンはたどたどしい、デュオン国の言語を話した。
その間、カサンドラ達はドレスに必要な材料を買いに、タサの街に行ったり。カーシン国で冒険とカサンドラが欲しがった、魔石ストーブを買いに向かったりしていた。
タサの街で手に入れた情報誌に。アサルト皇太子殿下と、シャリィの婚約式の舞踏会の話が載っていた。
内容は、王都で有名な衣裳店のデザイナーに舞踏会のドレスを頼んだとか、国一番の宝飾品を準備したとか。
これは、かなり豪華な舞踏会になるわね。
あの後――カーシン国の、ララサの街の冒険ギルドでギンに会ったとき、彼はパーティーの前でアオに頭を下げて謝った。弟のラハはあれから元気でモリモリ食事を取り、体も動かせるようになったと喜んだ。
『よかったな、大切にしてやれよ』
『ああ、みんなと話し合ったんだが、アオがもしよかったら……アオと、お嬢さん2人も一緒にパ、パーティーへ戻らないか?』
『その話は嬉しいけど、断る! これ以上ライバルは増やしたくない』
『なんだよそれ、わかったよ。困ったとき言えよ、助けに来るから』
カサンドラとシュシュがクエストボードを見ている間に、ギンとアオだけで話し合い決めていた。
♱♱♱
アサルト皇太子殿下とシャリィの舞踏会まで、後1ヶ月となった。カサンドラは慌てることも怖い夢を見なくなり、楽しい日々を過ごしているし、妹から来た手紙に返信もした。
本日はシュシュとタサの街からの帰り、庭で剣の訓練をするアオに声をかけた。
「アオ君、タサの街でいい鳥のお肉が手に入ったわ。お昼はオリーブオイルで揚げる、鳥のフリート(鳥の揚げ物)にしましょう」
「お、いいな」
「ドラお嬢様、アオ君、天気がいいのでセリィーヌ様を誘い、庭でお昼を食べませんか?」
シュシュの提案にカサンドラとアオは頷き、キッチンで並んで、昼食の準備をはじめた。塩コショウをした鶏肉に薄力粉をまぶして、卵にくぐらせて熱したオリーブオイルで揚げる。
「揚げ物の香りっていいわ、食べすぎちゃいそうね」
「ドラお嬢様、食べ過ぎたら一緒に運動しましょう」
「オレも参加する!」
「えぇ、みんなで運動しましょう!」
3人で仲良く料理を仕上げて、テラス席に運んでいた。
そのカサンドラ達の真上、バサバサと羽音が聞こえ空を見上げた。
「まぁ、図鑑で見たことがある……真っ白なトカゲかしら?」
「えぇ、真っ白なトカゲですね……」
「違う、ドラ、シュシュあれはトカゲではない――ドラゴンだぁ!」
「「ドラゴン⁉︎」」
「【若人達よ……ここに愛しきセリィーヌがいると聞いた、いるのか?】」
その真っ白なドラゴンはたどたどしい、デュオン国の言語を話した。