愚かな妹
サキコには二か月前にマッチングアプリの人とご飯に行ってると行っていた。
その後の報告はたしかにしていなかった。

「ええ。付き合ってる」

さらり、というと驚いた顔をした。

「いきなり遠距離?」

「いや別れるわよ」

「まあそうだけど…なに、顔がタイプだったの?」

「たしかに基準はクリアしてたわ」

「なるほど」

あぁ楽だ。こんなに性格の悪い自分をだしても許容してくれるなんて。
もし本当のことをいってもサキコは受け入れてくれそうで思わず口を滑らせてしまいそうだ。

まあ誰も彼が実家への置き土産なんだって気づかないでしょうけど。
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