【短編】Love Love Love……
 
「新しい支配者か。
 ……笑えるぐらいデカイ話だな。
 世間はようやく静かになったって言うのに。
 ……お前は何と戦うって言うんだ?」

 ため息とともに吐き出されるウルジュワーンの言葉に、男は嘲(わら)った。

「そこは当然。
 平和で住みやすい世界を造るための『聖なる戦い』ってヤツに決まってんじゃねぇか。
 もちろん。
 住みやすいって言ったって、俺様基準の、いい国だけどな!!」



 ……ぎゃっはっはっは!




 耳障りな声で、男は笑い。

 それに追従するように広がる、襲撃者達の笑い声に。

 ウルジュワーンは、ゆっくり首を振った。

「断る。
 オレは……
 オレ達はもう、戦わないことに決めたんだ」

「マジでぇ?」

 男は、信じられない、というような顔で、目を見開いた。

「……例えば。
 あんたがほしいだけの金を、言い値でぽんと支払っても?
 最初から配下を千人つけるって言っても?
 ああ。
 その顔じゃ、女に不便してるんじゃねぇ?
 いいぜ、キレイどころを山ほどつけてやっても」

「いらねぇな、そんなものは」
 

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