【短編】Love Love Love……
 結果的には、自分の命を縮めることになってしまったけれども。

 アフダルは満足だった。

 兵士としては、失格でも。

 カラダがぼろぼろに傷ついていても。

 アフダルの心はひどく軽かったから。

 かすむ目で。

 心配そうに、自分の顔をのぞきこむスィビャーの顔を眺めて。

 ああ、この子を傷つけなくて良かった、とアフダルは心の底から、そう思う。

 愛してる。

 愛してる。

 広く、儚く、みんなの上にアフダルの心が降り積もる。

 Love Love Love……

 Love Love Love……

 そんなかすかな音を残して振る。

 空からはらはらと降る雪のように。







 ……雪のように。




 

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