【短編】Love Love Love……
Ⅱ
「みんなーー♪
あさだよ!
ゆきがふってるよーー!」
アフダルの呼びかけに。
寝室の中に6つ置いてある三段ベッドの中身が、もぞもぞと動き出した。
一段のベッドに1人ずつ。
3才から15才くらいの子供達が、丸くなって寝ている。
布団は皆、古くて、ぼろぼろだったけれども。
暖かく眠っていた18人の孤児たちが、アフダルの呼びかけに一斉に目を覚ました。
「おはよー
アフダルにぃたん。
ゆきってなあに」
ベッドのてっぺんに寝ていた3才の女の子のスィビャーが、目をこすりながら、起きて来た。
彼女が、ベッドから降りるのを手伝ってやりながら、アフダルは、笑って言った。
「しろくて、つめたくて、ふわふわしたやつ!
すげーぞ!
きれーだぞ!
いままで、みたことないくらい!」
「わーい!
ほんとう?」
スィビャーを先頭に、子どもたちが、一斉に、窓に張りつくのを見て。
アフダルは、にこっと笑うと。
最後の一人を起こしに出かけた。