【短】またいつか、同じ夜空を見られたら
▽▲▽
「は、はじめまして北村さん。突然ですが……本当に突然なんですが、僕には前世の記憶があるんです」
シャワシャワシャワシャワ……というクマゼミの鳴き声が響き渡る、とある暑い日の放課後。
わたしは、違うクラスの浅見くんから突然呼び出しを受けた。
「えっと……」
顔を真っ赤にしながら彼が言った言葉に戸惑いを隠せないわたしは、何度も繰り返し瞬きをする。
正直に言えば、呼び出されたときこれは絶対に告白だろうと思った。北村唯奈、17年間生きてきて初の告白をされてしまうのだろうと思っていた。
しゃべったことはないけど、それなりにかっこよくて優しそうで、悪い噂も聞かない浅見くん。付き合うことになったら初彼氏だな、そうしたら来週の夏祭りとか一緒に行ったりするのかな。
……と、そこまで考えてからのこの言葉だから、拍子抜けもいいところだ。
「前世の、記憶?」
ゆっくりと聞き返せば、浅見くんはまた慌て出す。
「あ、あ、そりゃ信じられませんよね! わかってます。だけどその、本当なんです。僕は雪子さん……前世のあなたに、その、お世話になった者で」
「は、はじめまして北村さん。突然ですが……本当に突然なんですが、僕には前世の記憶があるんです」
シャワシャワシャワシャワ……というクマゼミの鳴き声が響き渡る、とある暑い日の放課後。
わたしは、違うクラスの浅見くんから突然呼び出しを受けた。
「えっと……」
顔を真っ赤にしながら彼が言った言葉に戸惑いを隠せないわたしは、何度も繰り返し瞬きをする。
正直に言えば、呼び出されたときこれは絶対に告白だろうと思った。北村唯奈、17年間生きてきて初の告白をされてしまうのだろうと思っていた。
しゃべったことはないけど、それなりにかっこよくて優しそうで、悪い噂も聞かない浅見くん。付き合うことになったら初彼氏だな、そうしたら来週の夏祭りとか一緒に行ったりするのかな。
……と、そこまで考えてからのこの言葉だから、拍子抜けもいいところだ。
「前世の、記憶?」
ゆっくりと聞き返せば、浅見くんはまた慌て出す。
「あ、あ、そりゃ信じられませんよね! わかってます。だけどその、本当なんです。僕は雪子さん……前世のあなたに、その、お世話になった者で」
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