【短】またいつか、同じ夜空を見られたら



改めて浅見くんを見てみると、とりあえず容姿は周作とは全く似ていない。

二人ともそこそこ整った顔をしてはいるけれど、浅見くんは健康的に日焼けをした、爽やかで活発そうな雰囲気。それに対して、周作は細くて色白な、不健康そうな顔をしていた。


まあそういうわたしだって、すれ違う誰もが振り返る美しい雪子と違い、今は地味で平凡な顔をしているわけだけど。

だとすれば、雪子の生まれ変わりがこんな平凡女で浅見くんがっかりしてる可能性あるな。……と思ったけど、怖いのでそれは聞かないでおく。



「雪子さん……じゃなくて、北村さんは今、幸せですか?」



飲み終わったジュースの氷をじゃりじゃりかき混ぜながら、浅見くんはぽつりと聞いてきた。

どうしてそんなことを聞くのか一瞬わからなかった。

だけどすぐにハッとする。



「幸せよ。今はただの一般家庭の娘だし、昔みたいに家に縛られたりしていない。間違いなくわたし自身が幸せだもの」



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