【短】またいつか、同じ夜空を見られたら
その癖といい、笑い方といい、色々な部分が前世と変わってしまっているのは、「浅見樹という人間は、生まれ変わりとはいえ周作とは別人なのだ」という事実を突きつけられている気がして、少し寂しかった。
でも、浅見くんの口から語られる思い出の数々は、確かに彼が周作の記憶を持っているのだと裏付けていた。
「もう暗くなってきたわね。しゅうさ……じゃなくて浅見くん。そろそろ帰りましょう」
前世の思い出に浸りすぎて、ところどころ雪子の口調が混じってしまっているわたしは、そう言って席を立った。
「待って北村さん」
「ん?」
店の出口に向かおうとしたとき……不意に、浅見くんがわたしの手首を掴んだ。
「あの、さ。もし良かったらなんだけど」
浅見くんの顔がほのかに赤い。
暑さのせいかと思ったけど、そうではなかった。
「来週の夏祭り、一緒に行きませんか」
「え……」