喫茶”diary”
「お好きな席へどうぞ」
と、喫茶店のママさん?がドアを開けたのとは反対の手で店内を指した。俺は店の中へ入って佇んだ。
「あら、随分濡れてるのね。ちょっと待ってて」
と、喫茶店のママさん?はカウンターの向こうへ消えると、白いタオルを手に戻って来た。バスタオルだ。
「はい、これで拭いて」
と差し出した。
「ありがとうございます。助かります。濡れたままだと椅子が濡れちゃいますね」
と俺が言うと、
「そうね」
と、喫茶店のママさん?は笑った。
幸い椅子の座面はビニールレザー張り。帰る時に拭けば良い。奥にはソファ席もある。ソファは布張りだ。そっちには座れないな。
「何にされますか」
水とおしぼりを持って来たママさん?が訊く。
「あ、えーっと、コーヒーを」
メニューを見ずに反射的にそう答えたが、ここは昔は豆の種類を選べたはず。
「マンデリンで」
と付け加えると、はい、と頬笑んでカウンターの向こうに戻り、すぐに左端のサイフォンに水と挽き豆を入れた。
昔と同じ、サイフォンが5基並んでる。
ふと、大学時代の記憶が蘇る。
と、喫茶店のママさん?がドアを開けたのとは反対の手で店内を指した。俺は店の中へ入って佇んだ。
「あら、随分濡れてるのね。ちょっと待ってて」
と、喫茶店のママさん?はカウンターの向こうへ消えると、白いタオルを手に戻って来た。バスタオルだ。
「はい、これで拭いて」
と差し出した。
「ありがとうございます。助かります。濡れたままだと椅子が濡れちゃいますね」
と俺が言うと、
「そうね」
と、喫茶店のママさん?は笑った。
幸い椅子の座面はビニールレザー張り。帰る時に拭けば良い。奥にはソファ席もある。ソファは布張りだ。そっちには座れないな。
「何にされますか」
水とおしぼりを持って来たママさん?が訊く。
「あ、えーっと、コーヒーを」
メニューを見ずに反射的にそう答えたが、ここは昔は豆の種類を選べたはず。
「マンデリンで」
と付け加えると、はい、と頬笑んでカウンターの向こうに戻り、すぐに左端のサイフォンに水と挽き豆を入れた。
昔と同じ、サイフォンが5基並んでる。
ふと、大学時代の記憶が蘇る。