喫茶”diary”
若い常連客は店の奥のソファ席に座り、
「エリカさん、俺、今日はアイスコーヒーにする。水出しね」
と言った。
へー、水出しのアイスコーヒーなんてのがあるんだ。今どきだな。次に来た時はそれを飲んでみよう、と思いはしたものの、この街は家と職場の動線から随分外れている。今日の営業先は担当者が突発的に休んだので代理で来ただけ。もう来ないかもしれない。新規開拓でこっち方面に無理矢理動線を動かすって手もあるか…。と、この店にまた来ることに決めている俺。
メニューが目に付いた。開いてみる。
うん、そうそう、こんな感じで左側のページに豆の銘柄がずらーっと書いてあるんだ。昔と同じ。右側には軽食とデザート。それも変わらない。マスターが作るピザトーストが好きだったんだよな、俺。
かなり冷めたコーヒーを飲み干した。30分は経過したかな。エアコンのおかげでスーツが乾いて来た。そろそろ社に戻るか。
コーヒー代を払いながら、
「また来ます。今度は水出しのアイスコーヒーが飲みたいです」
と言ってみた。
エリカさんはニッコリと微笑んで、あら、と言った。そして店の奥に座っている若い男性に向かって、
「ソウちゃん、ありがとう。水出しコーヒーのファンを増やしてくれて」
と言った。ソウちゃんと呼ばれた男性は、
「だろ? 俺って客寄せ運あるだろ?」
と言ってガッツポーズをした。
「またいらして下さいね。お待ちしています」
エリカさんの笑顔を見たらなんか元気出た。俺も常連になりたいと思った。
外に出るとまだ雨が降っていた。表に出ることを躊躇している俺を見て、エリカさんが店の中から傘を1本持って来た。
「次回いらっしゃる時にお持ち下さいな。急ぎません」
と言って手渡してくれた。
来る理由が出来た。
「エリカさん、俺、今日はアイスコーヒーにする。水出しね」
と言った。
へー、水出しのアイスコーヒーなんてのがあるんだ。今どきだな。次に来た時はそれを飲んでみよう、と思いはしたものの、この街は家と職場の動線から随分外れている。今日の営業先は担当者が突発的に休んだので代理で来ただけ。もう来ないかもしれない。新規開拓でこっち方面に無理矢理動線を動かすって手もあるか…。と、この店にまた来ることに決めている俺。
メニューが目に付いた。開いてみる。
うん、そうそう、こんな感じで左側のページに豆の銘柄がずらーっと書いてあるんだ。昔と同じ。右側には軽食とデザート。それも変わらない。マスターが作るピザトーストが好きだったんだよな、俺。
かなり冷めたコーヒーを飲み干した。30分は経過したかな。エアコンのおかげでスーツが乾いて来た。そろそろ社に戻るか。
コーヒー代を払いながら、
「また来ます。今度は水出しのアイスコーヒーが飲みたいです」
と言ってみた。
エリカさんはニッコリと微笑んで、あら、と言った。そして店の奥に座っている若い男性に向かって、
「ソウちゃん、ありがとう。水出しコーヒーのファンを増やしてくれて」
と言った。ソウちゃんと呼ばれた男性は、
「だろ? 俺って客寄せ運あるだろ?」
と言ってガッツポーズをした。
「またいらして下さいね。お待ちしています」
エリカさんの笑顔を見たらなんか元気出た。俺も常連になりたいと思った。
外に出るとまだ雨が降っていた。表に出ることを躊躇している俺を見て、エリカさんが店の中から傘を1本持って来た。
「次回いらっしゃる時にお持ち下さいな。急ぎません」
と言って手渡してくれた。
来る理由が出来た。