悪役令嬢は王子との秘密の双子を育てています 〜見つかったので処刑されるかと思いましたが、なぜか溺愛されました〜
王子の本音
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「もう少しお話しされないでよろしかったのですか。」
長い廊下を歩きながら、フェルディナンド王子直属の騎士団の長であるエリオットは王子に後ろからそうつぶやく。エリオットは、フェルディナンド王子が、モーリスと同じくらい信用を寄せている。氷の魔法を扱う騎士としての強さも、王子への忠誠心も。
「メリアンの顔を見ると、いつも何を喋ったらいいのか分からなくなるのだ」
王子はため息をつき、答えた。
王子は昔からこうだった。
「六年もかけ、やっと見つけ出したのに、私が不用意に言葉を発して、またいなくなってしまったら・・・」
メリアンのことになるといつも弱気になる主にエリオットは慣れているように「けれど、あなたの態度は誤解を招きかねませんよ。以前のように」と忠告する。
「分かっている」
「それならばよろしいのですが」
王子はまた深くため息をついた。
「それにしてもあんな奥地に公爵令嬢であるメリアンが六年もの間住んでいたなんて。」
「隣国からの不法労働者を捕まえた際に、彼が国境近くで見たという赤髪の女性、それがメリアン様だとは今回訪れるまで半信半疑でした。けれど、メリアン様は昔からとても図太いお方でございました。」
「口を慎め。」
「おっと、失礼いたしました。しかし、ルカ王子とリリス姫は二人とも殿下の生き写しのようですな。探したかいがあったということです。」
「ああ、二人は・・・とても可愛い。」
王子は目尻を下げ、小さく口角を上げると、にやついた表情を浮かべた。微笑ましそうに眉を上げ、目をキラキラと輝かせていた。
「もう少しお話しされないでよろしかったのですか。」
長い廊下を歩きながら、フェルディナンド王子直属の騎士団の長であるエリオットは王子に後ろからそうつぶやく。エリオットは、フェルディナンド王子が、モーリスと同じくらい信用を寄せている。氷の魔法を扱う騎士としての強さも、王子への忠誠心も。
「メリアンの顔を見ると、いつも何を喋ったらいいのか分からなくなるのだ」
王子はため息をつき、答えた。
王子は昔からこうだった。
「六年もかけ、やっと見つけ出したのに、私が不用意に言葉を発して、またいなくなってしまったら・・・」
メリアンのことになるといつも弱気になる主にエリオットは慣れているように「けれど、あなたの態度は誤解を招きかねませんよ。以前のように」と忠告する。
「分かっている」
「それならばよろしいのですが」
王子はまた深くため息をついた。
「それにしてもあんな奥地に公爵令嬢であるメリアンが六年もの間住んでいたなんて。」
「隣国からの不法労働者を捕まえた際に、彼が国境近くで見たという赤髪の女性、それがメリアン様だとは今回訪れるまで半信半疑でした。けれど、メリアン様は昔からとても図太いお方でございました。」
「口を慎め。」
「おっと、失礼いたしました。しかし、ルカ王子とリリス姫は二人とも殿下の生き写しのようですな。探したかいがあったということです。」
「ああ、二人は・・・とても可愛い。」
王子は目尻を下げ、小さく口角を上げると、にやついた表情を浮かべた。微笑ましそうに眉を上げ、目をキラキラと輝かせていた。