悪役令嬢は王子との秘密の双子を育てています 〜見つかったので処刑されるかと思いましたが、なぜか溺愛されました〜
「誘拐の可能性は極めて薄いでしょう。メリアンは用意周到なようでした。彼女が大切にしているものや彼女が保有する金品、自分で選び全て持ち出しています。もうどこか遠くにいると考えた方がよいかもしれません。殿下、あなたのことを心底慕っていた娘が、あなたの元を訪れた後、自分自身であなたの元を去ったと言うことは、どのようなことなのか、よくお考えくださいませ。」
メリアンの父親は頭を抱えながら、フェルディナンド王子にそう告げた。直接言われなくとも、責められているのは分かっていた。大事な娘にこのような決断をさせた罪は自分にあるのだと。
一ヶ月も経つと、周りはみな諦めモードだった。メリアンの父親でさえも。
「父親としては、殿下が娘のために尽力していただいていることを感謝しておりますが、カタルニア王国の大臣として、殿下には娘との婚約を破棄していただき、新しく妃探しをしていただかなければ。」
「・・・私は、メリアン以外を娶るつもりはない。」
それからも、フェルディナンド王子はメリアンを捜し続けた。範囲を広げ、周辺の町や村を巡った。フェルディナンド王子の心を占めるのはメリアンがどこにいるのか、彼女が無事であるか、それだけだ。時間があれば、地方へも自身で訪問した。外交だと称し、国外へいくことも。しかし、どんなに探しても、メリアンの行方は分からないまま。
それでも、フェルディナンド王子はメリアンが見つかるまで、何年かかろうとも、あきらめず、メリアンを探すことを決意する。周りの批判にも屈せず、自分自身の信念を貫き続けていた。どんな小さな情報でも必死に集めた。また、メリアンが大切にしていたものや、今までの行動パターンなどを分析し、彼女がどこに向かっているのかを推測し続けた。
宮殿には、いつでもメリアンを迎えられるようにと、メリアンのための部屋を設けた。メリアンが好きなイランイランの香りでいっぱいの部屋だ。メリアンが御用達にしていた服屋には、メリアンが好きそうなデザインの服を、頻繁に作らせ続けた。王族としての執務や役割はこなしていたが、それ以外のことに関しては心を閉ざしていたフェルディナンド王子にとって、メリアンのために何かをしている時間だけが、唯一心休まる時間になっていた。
メリアンが戻ってくることを信じる者は日に日に減っていく。三年も経つと、王太子である父からも、メリアンのことは忘れ、新しく妃を迎えろと言われたが、しかしそれに応じることは一切無かった。五年が過ぎると、周りも王子は一生婚姻しないのだろうと王子の婚姻自体を諦めていた様子だった。
しかし兄であるハンネス王子やその後彼と結ばれたエレオノーラ、そして第二王子付き騎士団と側近たちだけは、ずっとフェルディナンド王子を支えた。
メリアンの父親は頭を抱えながら、フェルディナンド王子にそう告げた。直接言われなくとも、責められているのは分かっていた。大事な娘にこのような決断をさせた罪は自分にあるのだと。
一ヶ月も経つと、周りはみな諦めモードだった。メリアンの父親でさえも。
「父親としては、殿下が娘のために尽力していただいていることを感謝しておりますが、カタルニア王国の大臣として、殿下には娘との婚約を破棄していただき、新しく妃探しをしていただかなければ。」
「・・・私は、メリアン以外を娶るつもりはない。」
それからも、フェルディナンド王子はメリアンを捜し続けた。範囲を広げ、周辺の町や村を巡った。フェルディナンド王子の心を占めるのはメリアンがどこにいるのか、彼女が無事であるか、それだけだ。時間があれば、地方へも自身で訪問した。外交だと称し、国外へいくことも。しかし、どんなに探しても、メリアンの行方は分からないまま。
それでも、フェルディナンド王子はメリアンが見つかるまで、何年かかろうとも、あきらめず、メリアンを探すことを決意する。周りの批判にも屈せず、自分自身の信念を貫き続けていた。どんな小さな情報でも必死に集めた。また、メリアンが大切にしていたものや、今までの行動パターンなどを分析し、彼女がどこに向かっているのかを推測し続けた。
宮殿には、いつでもメリアンを迎えられるようにと、メリアンのための部屋を設けた。メリアンが好きなイランイランの香りでいっぱいの部屋だ。メリアンが御用達にしていた服屋には、メリアンが好きそうなデザインの服を、頻繁に作らせ続けた。王族としての執務や役割はこなしていたが、それ以外のことに関しては心を閉ざしていたフェルディナンド王子にとって、メリアンのために何かをしている時間だけが、唯一心休まる時間になっていた。
メリアンが戻ってくることを信じる者は日に日に減っていく。三年も経つと、王太子である父からも、メリアンのことは忘れ、新しく妃を迎えろと言われたが、しかしそれに応じることは一切無かった。五年が過ぎると、周りも王子は一生婚姻しないのだろうと王子の婚姻自体を諦めていた様子だった。
しかし兄であるハンネス王子やその後彼と結ばれたエレオノーラ、そして第二王子付き騎士団と側近たちだけは、ずっとフェルディナンド王子を支えた。