悪役令嬢は王子との秘密の双子を育てています 〜見つかったので処刑されるかと思いましたが、なぜか溺愛されました〜
父と子
メリアンが失踪したと分かった日、シュトルツ公爵は、メリアンが自分の意思で失踪したこと、そしてその理由がフェルディナンド王子に関わることだと推測し、王族に絶対忠誠を誓う立場であるにもかかわらず、フェルディナンド王子を憎んだ。
しかし若き王族は、「私が必ず探し出します。一生をかけても。」と彼にそう誓った。そして彼は、全てを持って生まれたのに、自分にはメリアンしかいないと嘆いた。
フェルディナンド王子にとって、より美しく、よりふさわしい令嬢もこの国にはたくさんいたであろう。だが、この六年間、彼の心はずっと一途にメリアンにだけむいていた。そもそも政略結婚が多い中、彼は最初から自分でメリアンを選んでいたのだ。
「フェルディナンドが、お前のところのメリアンを望んでいる」伝えていた国王陛下からそのような言葉を頂戴した時、シュトルツ公爵は驚きながらも誇らしくも感じていた。そしてメリアンも、王子にべた惚れだったので、シュトルツ公爵も安心して娘の婚約を受け入れた。
互いに愛があったからこそ、若く不器用な二人は失敗を犯した。けれど、互いに別々の場所で成長し、再び巡り合うことが出来たのだろう。
自分の娘に対してここまで強い思いを持ち続け、誰もが・・・親である自分自身もが諦める中、執念で見つけ出したフェルディナンド王子にならば、今度こそ全てを任せられると思った。自分と同じ、いや、それ以上に、メリアンを愛している彼ならば。
いまだ成長しきれていない部分もあるだろう。けれど、今度こそ二人で共に、・・・いや、今やもう子供もいる。四人で、一緒に成長していってほしい。
「お前の母にも、きちんとお前の無事、そして子供たちのことを伝えておく。色々と落ち着いたら、今度はお前たちがこちらに遊びに来なさい。」
シュトルツ公爵は、彼らの幸せを祈りながら、メリアンにそう言い残した。そして春の嵐は去っていった。
しかし若き王族は、「私が必ず探し出します。一生をかけても。」と彼にそう誓った。そして彼は、全てを持って生まれたのに、自分にはメリアンしかいないと嘆いた。
フェルディナンド王子にとって、より美しく、よりふさわしい令嬢もこの国にはたくさんいたであろう。だが、この六年間、彼の心はずっと一途にメリアンにだけむいていた。そもそも政略結婚が多い中、彼は最初から自分でメリアンを選んでいたのだ。
「フェルディナンドが、お前のところのメリアンを望んでいる」伝えていた国王陛下からそのような言葉を頂戴した時、シュトルツ公爵は驚きながらも誇らしくも感じていた。そしてメリアンも、王子にべた惚れだったので、シュトルツ公爵も安心して娘の婚約を受け入れた。
互いに愛があったからこそ、若く不器用な二人は失敗を犯した。けれど、互いに別々の場所で成長し、再び巡り合うことが出来たのだろう。
自分の娘に対してここまで強い思いを持ち続け、誰もが・・・親である自分自身もが諦める中、執念で見つけ出したフェルディナンド王子にならば、今度こそ全てを任せられると思った。自分と同じ、いや、それ以上に、メリアンを愛している彼ならば。
いまだ成長しきれていない部分もあるだろう。けれど、今度こそ二人で共に、・・・いや、今やもう子供もいる。四人で、一緒に成長していってほしい。
「お前の母にも、きちんとお前の無事、そして子供たちのことを伝えておく。色々と落ち着いたら、今度はお前たちがこちらに遊びに来なさい。」
シュトルツ公爵は、彼らの幸せを祈りながら、メリアンにそう言い残した。そして春の嵐は去っていった。