悪役令嬢は王子との秘密の双子を育てています 〜見つかったので処刑されるかと思いましたが、なぜか溺愛されました〜
披露宴が終わり、フェルディナンド王子とメリアンは、バルコニーに出た。今日は月が一段と輝き美しく見える。冬の夜空の下、毛皮を羽織ったメリアンをさらにあたためようと、フェルディナンド王子はメリアンを後から抱きしめ、メリアンの腹部に手を置く。
「おとうさん、おかあさん!」
そこにモーリスとエリオットに連れられた双子がやってきた。そして二人を挟む。
「リリスね、いもうとのおなまえを、かんがえたの!レイラがいいとおもうの!」
「ぜったいにおとこのこで、なまえはリチャルドだ!」
今、メリアンのお腹にはもうひとつの命が宿っている。母として、そして新たに妻として生きることに期待と喜びに溢れている。ゲームのシナリオの一つでは悪役令嬢とされてきたメリアン。けれど、数々の困難を乗り越え、幸せを手に入れたメリアンはまさにヒロインの如くハッピーエンドを迎えたのだった。