いつどこで誰が何をした


「あ、着いたよ。ここが美術し…」
「わ!」
「うわ!」


ドン!


「あ、ご、ごめんなさい!」
ドアに手をかけた瞬間、美術室から飛び出してきた人とぶつかってしまった。

「あー気にしないで。大丈夫?」
「はい、す、すみません」

ペコっと頭を下げて走っていった女子生徒、あれは多田凛子。
美術部で大きなメガネをかけた静かな子。
あんまり話したことないけどなんだったんだ?


「今の方は?急いでみえましたが大丈夫でしょうか」
「あー多分大丈夫。よく忘れ物して走ってるんだよ。多田凛子っていう子。あの人もおっちょこちょいだよ。久遠さんと一緒」
「わ、私はおっちょこちょいな訳ではありません!」
赤くなって否定している久遠さん。

「冗談だよ〜」
「本当ですか!?」

話してみると思ったより打ち解けやすい人だ。

< 15 / 334 >

この作品をシェア

pagetop