いつどこで誰が何をした
「あーごめん気にしないで。なんでもない」
申し訳なくなってそう言った…が
「いや待て、確かにそうだ。出席番号がズレるって…なんかデジャヴ感じなかった?そういえば」
デジャヴ…?
柳谷が机に投げていた身体を起こした。
「確かに…出席番号ズレるって先生に言われて、また?って思ったんだよね」
山野も口の前で片手を握って目を大きくした。
そういや誰かもまたー?とか言ってたな。
ん?なんでだ?
なんでこんな記憶が曖昧なんだ?
「入学してからずっと34個席があった。それって変じゃないか?」
枕崎がゆっくり立ち上がる。
「33人クラスなら33席で良かったはずだ。それなのに34席あった。久遠愛菜が転校してくるまでずっと空いていた席」
枕崎が久遠さんの机に触れる。
「34人じゃなかったか?」
!
東坡が後ろからそんな声を飛ばした。
「34人?」
「入学した時って34人クラスだったよな?俺ちょくちょくしか学校来てなかったけど、確か久々に登校した時に出席番号がズレてて、1人減ったんだって思った記憶がある」
…それ、どういうこと?
僕らは久遠さんが転校してくる前から34人クラスだった?
じゃあなんで、ここにいる誰もその空席の持ち主がわからないんだ?
「いや…33人だったよ。少なくとも入学式の日にいたのは33人だった。間違いなく奇数だった。
式の時って2人ずつ並んで座るじゃん。それで私のところだけ3人席になってたの。後ろから3番目だから私」
山野が思い出すように目線を上げて言った。
奇数…33人。
「だから私たちは奇数のクラス、初めから33人クラスだったはず」
「休んでたとかじゃねぇの?」
東坡が前のめりになって言う。
「あんたじゃないんだから入学式の日に休む奴なんてそうそういないよ」
「あ?」
「風邪とかだったらその席開けて座ればいいだけでしょ?3人席がわざわざ用意されてたんだから多分33人クラスだったんだよ」
…意味がわからない。
どういうことだ?
何かがおかしい。
出席番号がズレてた?