いつどこで誰が何をした


「清瀬奈加さんと成川は仲良かったの?」
並んで校庭を歩く。
見慣れない成川の横顔。

僕の問いに少し首を傾げて答える。
「どちらかといえば仲は良かったと思う。よく話してたし、受験とかは一緒に行ったし」
そっか。
「だから衝撃だった。清瀬さんの事故の話を聞いた時は」

「解離性障害だってことは知ってたの?」
「…知ってたよ。彼女の口から聞いたことがあった。でも見たことなかったしよっぽど出ないって本人も言ってたから」
そうか。


「ね、ねぇひかるくん」

「清瀬さん…このゲームに関係してるの?」
……

「いや、わからない」
全くわからない。
でも何がなんの手掛かりになるかわからないから、少しでもこのクラスの情報を知っておいて損はない。

「……僕、気づいたことがあるんだ。ゲームが始まって割とすぐに」
成川が落ち着いた声で話し出した。
「なに?」

ゆっくり僕を見る。


「清瀬さんの本来の出席番号…8番なんだ」



『8』
ここで『8』が出てくるのか…

「まさかとは思ったけどね。でも彼女とこのゲームの繋がりなんて…番号と精神的原因の病気くらいしかないし…清瀬さんがこのゲームに関わってると言える根拠は圧倒的に少ないよね」
……
確かに。材料が少なすぎる。


8…

清瀬奈加
久遠愛菜

…やっぱりこれだけの情報じゃわからない。
もっと踏み込まないと…
何が原因なのか、目的はなんなのか…
急がないと…

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