いつどこで誰が何をした


ピロン!


そうこうしているうちに8時になった。
空気が凍る中、みんなのスマホを見るペースは今までよりも早い。
昨日みたいなことがあると怖いからだろうな。



ーー


本日の内容。
実行してください。

『午前中
 校庭で
浜崎葉月が
じゃんけんした』


ーー



じゃんけん?

「葉月…」
越田の心配そうな声。
浜崎はスマホを見て震えている。

「葉月大丈夫、難しくない。早く終わらせちゃおう」
牧村もそばに駆け寄り浜崎の背中をさする。
浜崎は友好的でよく周りを見ている優しい奴。
越田と特に仲が良くて2人でセットになっているところはよく見る。
浜崎の味方は多いだろう。

「午前中だ。すぐに始めよう」
片桐が席を立った。

「浜崎、大丈夫だからな」
佐滝も席を立つ。
浜崎は佐滝を不安そうに見る。
あれ、ここ付き合ってたっけ?
なんとなく、ただのクラスメイト以上の関係感を漂わせて2人が頷き合っていた。


「じゃんけんって1人じゃできないよね」
三谷が不安そうに言う。
「誰かが相手すればいいのよ」
柿田がチラリと越田と佐滝を見た。
「私がやるよはづき。親友でしょ」
応えるように越田が言った。
「ありがとう…千夏」


じゃんけんか…
これ勝ち負け出るよね。
……大丈夫かな。


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