いつどこで誰が何をした
成川はスコップを持ったまま失神している。
「死んでないよね」
「ああ、そんなに強く殴ってない。正気を失ってかなりギリギリのところだったんだろうな」
あの控えめな成川がここまで必死になっていたのか。
「よく頑張ったよ成川」
うつ伏せに倒れている成川の手からスコップを取った。
「ひかる、メッセージは?」
枕崎が少し緊張して言う。
「さっき確認した。クリアだよ」
僕はクリアと表示された画面をみんなに見せた。
みんながほっと胸を撫で下ろす。
………。
クリア…クリアだ。
成川は…クリア。
……。
「ひかるさん…何かあったんですか?」
久遠さんの静か声が響いた。
「え?」
みんながぽかんと久遠さんを見る。
真っ直ぐ僕を見る彼女。
「美術室に入ってきてから…何かおかしいですよね」
…。
「ひかる、どうした」
俯く僕の顔を祐樹が覗き込む。
……。
「成川はクリア……」
でも…
「3番に…ばつ印がある」
「…3番…?」
「3番って…」
「……梅原は…ゲームオーバーだ」