いつどこで誰が何をした


教室へ戻ると、みんながなんとも言えない顔を僕に向けた。

「おかえり」
最初にそう言ったのは祐樹だった。
「ただいま」

少しの沈黙を挟んで枕崎が席を立つ。
「どうだった」
「あっさり認めたよ。四人のスマホを奪っていたこと」
「…そうか」


「だから、僕は同じことをした」
僕の言葉に空気が少し冷たくなった気がした。


「…そうか」
枕崎がそう呟き、静かに座った。
と、心配そうにこちらを見ていた成川と目があう。
「成川、もう大丈夫?さっきまで失神してたけど」
「あ、うん。詳しいことはさっき柳谷くんから聞いたよ…。梅原さんの…こと」
「そっか」
成川は目を伏せた。

「ひかるくんが何しに行ってたかも聞いた」

「おかえり。無事に帰って来てくれてよかったよ」
「…うん」

成川の言葉にみんなが頷いた。

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