いつどこで誰が何をした


「……ひかる」
しばらく2人、何も言わずただ座っていたが、ふと祐樹が名前を呼んだ。
「なに」

「……俺思うんだよ。俺にあってお前にないものはいっぱいあるけど、お前にあって俺にないものは…もっといっぱいあるって」
「は?」

「俺はさ、頭悪いから自分が生きることを考えるだけで精一杯なんだ。誰かが指名された時にお前みたいに当然のように力を貸すことはできない。犯人の考察なんて全く分からないし、ゲームの仕組みでさえあんまり理解してない」
「…祐樹?」
スッと祐樹が立ち上がる。
僕を見てからりと笑う。


「俺、ひかるが死んだら100%自分も死ぬと思う。俺だけじゃなく、今までみたいにクリアできる人が減っていくと思う。昨日言ったろ?お前はこのクラスの中で誰よりもこのゲームをプレイしてるって。このゲームのゴールに辿り着けるのは、俺でも枕崎達でもなく、お前しかいないんだよ。ひかる」
「……何言って…」

「絶対死んだらダメだ、お前だけは。ひかるは、みんなにとって最後の命綱だ」
低く、硬い声。


ふぅと息を吐いた祐樹は自分のスマホを取り出して何やら操作する。

「祐樹…どうしたの?なんか変だよ」
「……ごめんひかる。でも、これしかないんだ」
…は


ピロン!


通知音。僕のスマホから。
取り出せば勝手に画面がついた。



ーー


〈2グループ〉
身代わり制度が使用されました。
内容が変更されます。
実行してください。

『夕方
 屋上で
 克馬祐樹が
 飛び降りた』


ーー


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