いつどこで誰が何をした


……っ
「祐…樹?」
何して…何、してんだよ…

祐樹は眉を顰めて笑う。
「俺がお前にできることは…これくらいしかない」


身代わり…制度…
『誰が』の名前を変えられる…制度…
代わりに実行できる制度…
身代わりの…制度…


「っ…戻せ……今すぐ戻せ!!」
「嫌だね。絶対お前は死なせない。ひかるは俺達の光だ」
……っ

僕を真っ直ぐ見つめる祐樹。
冷たい風が前髪を揺らす。



「さっ時間だ!」
祐樹は僕の頭を軽く小突き、屋上の端に立った。

「…祐樹……祐樹っ!」
力無く、親友に向かって手を伸ばす。


「ひかる!俺と出会ってくれてありがとう。俺ひかるのことほんっとうに大好きだぜ!」
「……まって…嫌だ…」
「絶対犯人捕まえてぶん殴ってやれよな!」
「祐樹……っ」

両手を広げ、地面の続いていない向こう側に背を向けたまま、一歩ずつ後ろに下がっていく祐樹。
その目は、夕陽を受け、息を呑むほど綺麗に輝いていた。


ああ…ダメだ…
他の人の時にはこんな胸騒ぎしなかった、こんな風に波打つ心臓なんてなかった…っ

お前だけは、祐樹だけは…本当に嫌なんだっ!!

「やめろ!!」



「じゃあな!親友!」
「ゆうきっ!!!」


とびきりの笑顔を見せた親友の姿が……視界から消えた。

少しして…ぐしゃりと、何かがつぶれた音がこだまする。



………
……………



ピロン!


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