いつどこで誰が何をした
「早速だけど、昨日向こうのチームにも動きがあったみたいだ」
「柿田のグループか」
僕の言葉を受けて枕崎が廊下の方を見る。
「僕にクリアのメッセージが来た時、新しく26番にばつ印がついてた」
「…26?」
「ああ、檜山だ」
「……そう、か」
どんな内容だったのかはわからない。
だが、確実にクリアすることの方が難しくなっている。
「これは僕からの提案。もうグループ分けはやめよう」
「え?」
「柿田のグループと合流しよう。ここまで人数が減ったんだ。毎日二つずつ内容が来ていては犠牲者が増えるだけだ」
「…それはそうだな」
枕崎が立ち上がる。
「前までは向こうの連中がひかるを敵視していたし、俺達が犯人だと疑う人物が向こうにいたからグループが分かれている事は好都合だった。でもここまで減ってくるとそんな事は言っていられない。それにそろそろ犯人も絞れてきたはずだ」
枕崎が柳谷を横目で見る。
「ああ。犯人は絞れてる」
そう一際大きな声で答えた柳谷。
珍しい声色だったのでみんなが少し驚く。
「絞れてる?」
成川が素っ頓狂な声を出す。
「何かわかったのか」
東坡が立ち上がる。
「…ああ。まだ名前は言わないが…俺が考えてる人物の中に必ず犯人はいる」
柳谷は空を見つめて力強く言う。
必ず…か。
「犯人は手がかりをわずかに落としている。その欠片を少しずつ拾い集めてきた。答えはすぐそこまで来てる」
「もったいぶってないで教えろよ!」
東坡が声を荒げる。
「「いや」」
柳谷と僕の声が重なった。
…いや、言えない。
言っちゃダメだ。
「今はまだ言わない方がいい。下手に口にすると犯人が動く」
僕が柳谷に変わって言った。
「……いよいよ、最終決戦だな」
柳谷の震えた声。
そうだね。
ゲームマスター対、プレイヤーのね。