いつどこで誰が何をした
「そろそろメッセージが来る。今日までは向こうとこちらのグループに一つずつ来るはずだ。メッセージを確認したら柿田達と合流しよう」
問題は…そのメッセージの内容だけどね。
おそらくクリアする方が難しいはずだ。
誰が当たるか…
もちろん誰も死んでほしくはないが…ここで柳谷や枕崎が指名されるとかなり厄介なことになる。
だが、もし僕が犯人だったら…この2人は消しておきたい存在だ。
現在7時45分。
「メッセージが来る前にトイレ行ってくる」
教室を出た。
こんな状況でも僕の体は正常なので尿意は来ます。
途中で死ぬのはごめんだ。
こんなゲームを始めた犯人に色々聞きたい。
何故大人達がこのゲームに対してこんなにも無能なのかも知りたい。
綾人さんが何故自分が共犯者だと言ったのかも知りたい。
別に普通の生活に戻りたいわけではないが…
せっかくこのゲームに招待されたんだから、死ぬなら全て真相を知ってから死にたい。
そして何より…勝ちたい。
トイレで手を洗って鏡で自分の顔を見る。
…僕の顔がこんなにイキイキしていたことってあったかな。
相変わらず黒目は小さいし、髪はボサボサだけど。
……さとるさん…父さんは…
まだ生きているだろうか…
一度だけ会った血縁者と自分の顔を重ねて、首にかかるほど伸びた後ろの髪の毛をまとめてみる。
もう少し伸ばせば結べそうだな…
結べるようになるまで、死ぬわけにはいかないね。
ふっと息を吐いてトイレを出た。
「…あ」
「……」
おや。
おやまあ。
「トイレ?」
「…いや」
「そっか」
ああそうそう。
柳谷が言ってたね。
「最終決戦だってさ」
「……」
「頑張ってね」
「ねぇ」
…ん?
「いつから知ってた?」
………
「……さあ。なんのはなし?」
「……」
さ、戻ろう。