いつどこで誰が何をした





「これでSHRを終わる。気をつけて帰れよ」

結局一限目の数学には間に合わず、こっぴどく叱られた。
久遠さんが心配そうにしてた。
恥ずかしい。



都合よく時間が過ぎて放課後。

多田のスマホは美術室に置いてきた。
まあそれが正しいんだけど。
もう少ししっかり見たかったな。
なんだったんだろう…あれは。


「あーやっと終わったー」
祐樹がわざわざ僕のところまでカバンを持ってきてどかっと地面に下ろした。
僕の席はドアから一番遠いのに、祐樹は毎日挨拶するためだけにここまで来てくれる。鞄おいてこればいいのに。
僕の親友はちょっと面白い。

「まだ木曜かぁ。長いなぁ」
確かに木曜って個人的に一番だるいんだよね。
4日目でだいぶ疲労困憊なのにまだ明日も平日という恐怖。

「明日頑張れば休みだから」
「だな!うし部活行くかぁ」
「じゃーね部活頑張って」
「おう!また明日!優!行こー」
「うい!」
佐滝と二人で体育館に向かっていった。

あ、そういえば今朝来たRINE、佐滝がバスケでどうとかじゃなかった?
まあ…ほっとけばいいか。
なんにせよバスケするんだから実行できるよね。


「ひかるさん」

祐樹を見送っていた僕に声をかける久遠さん。
「今日もリムジン?」
「り、リムジンじゃありません!」
「はは、ごめんごめん」
「もうっ校門までご一緒してもよろしいですか?」
「うん」

久遠さん、僕以外の人とも話せばいいのに。
なんて思いながらも懐かれたのは悪い気がしないね。

「ひかるさんは克馬さんととても仲がいいんですね」
あー祐樹?
「まあ中学からの付き合いだし、腐れ縁ってやつだよ」

祐樹と僕の仲の良さは、よくよしきや杉山に揶揄われるほどだ。
今日は片割れいないの?とか相棒が探してたよとか夫婦喧嘩してんの?とか言われる。

「素敵です」
「あはは、それはどうも」
久遠さんにもできるといいねそういう人。


「学校生活には慣れた?」
久遠さんの顔を覗き込むと、んーと首を傾げた。
「まだ少し」
「まあだよね。2日目だし初めてってなるとね。でもきっとすぐ慣れるよ」
「はい、そんな気がします」
校庭に出て校門に向かう。

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