いつどこで誰が何をした



「…花里が……そう、か」
東坡達と1年3組の教室で合流し、宇佐美のことを話した。花里のことも。

「成川は?」
「幸いナイフが急所を外れたみたいで命に別状はない。今は気を失って保健室で寝てる。久遠愛菜が一緒だ」
「そう…よかった」


「2人と合流したんだね」
山野が柿田と渡辺を見て言う。
「山野さん…無事だったのね」
柿田が無理矢理笑う。
「2人も。無事でよかった」

「美波…枕崎のこと…聞いた」
渡辺が山野に歩み寄る。
「…うん」
「……生きよう」
「……うん」


「柿田のグループの生き残りは…」
「私と渡辺さん、あと…小塚くんね」
少ないな。

僕らのグループは、僕、柳谷、山野、東坡、久遠さん、成川。
9人か。


「小塚が犯人よ、間違いない。もうそれしかない」
渡辺がわずかに声を荒げる。
「え、小塚が?」
東坡が僕を見る。
「…さあね。でも可能性は高いだろうな」
柳谷が代わりに答える。

「小塚を探そう」
犯人であろうがなかろうが…そろそろ答え合わせの時間だ。


とその時、ガラリと教室の扉が開く。

「ひかるさん」
「久遠さん。無事でよかった」
「ひかるさんも…。でも成川さんが…私を庇って大怪我を…」
「聞いたよ。成川の容態は?」
「刺されたのは腕です。今は落ち着いついています。眠っていたので私だけ戻って来ました」

久遠さんの目元にはクマがある。
ひどくやつれている。
みんなもう限界だ。


「久遠さんはここで休んでて」
「どこか行かれるんですか?」
「小塚を探す」
「…小塚さん?」

「小塚が犯人なのよ」
渡辺が鋭く言った。
「…え?」
久遠さんが僕を見た。
なんでみんな僕を見んのよ。
「まだわからないけどね。だから探すんだ」

「…そう、ですか……あの、小塚さんならさっき見かけましたけど…」
「どこ?」
「それが…その、生徒玄関だったので…おそらく…」
帰ったか。自由な奴だな。


仕方ない。
最終決戦は明日に持ち越しだ。
その方が都合がいい。僕は今夜確認したいことがあるんだ。

そして、明日必ず
ゲームを終わらせよう。

死んでいったみんなが、そう望んだように。


瀬尾、多田
野々村
中谷、大本
時川、立花
深川
秋沢、辻原
中村、越田
三谷、梅原、片桐、佐滝、浜崎
檜山、杉山
よしき、牧村、宇佐美
祐樹、枕崎、花里

明日が終わればみんなの望んだ『普通』が手に入るよ。多分ね。

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