いつどこで誰が何をした
「あの…」
「ん?」
「あのメッセージ…今夜も来るんでしょうか」
え?
「『いつどこで誰が何をした』ってやつです。
あのRINEに『21時にメッセージを送信します』と書いてあったので昨夜だけではないのかなと…」
ああ…確かに。
ルール説明だったもんね。
「来るからどうということはないのですが…その、何故か少し嫌な予感というか…ただの迷惑メールやイタズラではない感じがして」
「…嫌な予感…か」
「はい」
……
「いや、そんな気にすることないと思うよ?こんなふざけた内容だしさ」
「…だといいんですけど」
…
「あーでも、もし今夜もRINEが来たら…無視はしないほうがいいも」
「え?」
「ま、どうせメッセージが来たらスマホ使えないし、返信してもヤバいことはないだろうから、昨夜みたく適当に返しとけばいいよきっと」
「…そうですね。来たらそうします」
僕もそうしよう。
祐樹にも連絡しておこう。
なるべくみんな返したほうがいい気がするんだ。
確信はないけど…多分。
「あの、こういうことは初めてですか?」
へ?
久遠さんが考え込んでいた僕の顔を覗き込んでいた。
おー近いとちょっとドキっとしちゃうわ。久遠さん綺麗な顔してるから。
なんて考えてしまった自分を脳内で一発殴っておく。
「初めてって何が?」
「こういう、1クラスに一斉に変なメッセージが来ることって」
「初めてかな」
「あ、やっぱそうなんですね。クラスメールとかあるのかなって思って」
そっか。久遠さんは学校自体が初めてだもんね。
「クラスRINEもあるにはあるけど…よっぽどのことがないと動かないし、まずこんな内容は絶対ないね」
台風が来た時とかに使われるだけだよ。
「…昨日が初めてですか?」
「うん?」
「…いえ、私が転校してきた日から…だったので」
…
ああ…確かに。
「…」
「…」
「まあ深く考えることないよ。特に大きな害はないんだしさ」
「…そう、ですね」
……思えば…そうか。