いつどこで誰が何をした
ピロン!
「っ…」
静かな空間に響いた通知音とほぼ同時
僕ではなく…成川が胸を抑えた。
「……え…?」
素っ頓狂な顔で青ざめていく成川。膝をつき、僕を下から見る。
僕はいつも通り『普通』にその光景を見ている。
「…え…え?……な、なんで…」
「どうした成川。苦しいのか?」
「……おかしい……どうして…僕が…」
「あーそれは成川が使ってくれたからだよ。身代わり制度を」
「……は?」
ーー
身代わり制度が使用されました。
内容が変更されます。
実行してください。
『今
教室で
成川智が
死んだ』
ーー
僕はスマホの画面を見せて口角を上げる。
「ありがとー」
「…な……で……おかしい…」
「おかしいね」
「いつ…どこで…君は…何をしたの」
「簡単だよ。さっき東坡とやり合った後、ふらふらの成川の胸ポケットからスマホを奪い
さっき久遠さんが死ぬ前に僕と取っ組み合いをした時に、別のスマホをポケットに入れたんだ。これで入れ替え完了」
東坡と久遠さんには気づかれたんだけどね。
「あとは成川のスマホで身代わり制度を使えばいい」
「別の…スマホ?」
「そう。今お前が持ってるスマホは…野々村のものだよ」
初日からずっと僕のポッケに入ってたんだ。忘れてたけど。
片桐の時と同じ方法で入れ替えた。
成川が必死に守っていたのは起動装置の方で自分のスマホではなかった。プレイヤーにとっては命も同然のスマホなのにね。
柳谷の言った通り、お前には僕らと同じプレイヤーの条件が揃ってる。
Mo153が体内にあり、内容を実行しないと死ぬ。つまり身代わり制度も使える。
東坡と久遠さんを利用してしまったけど…まあ結果オーライだ。許してくれよ。