いつどこで誰が何をした


胸躍る毎日
明日が来るかわからない恐怖
『当たり前』が通じない支離滅裂な非日常


人間が呼吸するように
時と共に歳を取るように
怪我をしたら痛いように
毎日腹が空くように
雨が降ったら濡れるように

さも当然のように死んでいくクラスメイト


「あっははははは!」


返信しなくて死ぬ
逆立ちできなくて死ぬ
校長室に水が溜まらなくて死ぬ
3分じゃ何もできなくて死ぬ
じゃんけんで負けて死ぬ
屋上から飛び降りて死ぬ
愛する人のために死ぬ
刺し殺されて死ぬ

庇う必要のないこの俺のために死ぬ


滑稽だ、あまりにも笑える。
退屈ってなんだっけ?
たった半月の間にそれを忘れてしまったよ。

『普通』じゃない『普通』じゃない毎日。
『普通』に縛られる必要のない毎日。
『普通』でなくても許される生活。


「普通じゃないことが普通…ははっ普通ってまるで呪いだ」


『普通』なんてクソ喰らえだ。
退屈なんて消えてしまえばいい。

退屈な『普通』の毎日が幸せだなんて…
それはお前らのエゴだろう。


『当たり前』や『普通』の概念は、心を貧しくするんだよ。
だから俺は、そんなの知らなくていいんだ。



そういえば…
誰かが言っていたなぁ。
僕に教えるとかなんとか…
寂しさや、暖かさや、誰かに大切にされることだとか…

はは、そんな退屈そうなこと知りたくもない。


誰かが言っていたなぁ。
クラスメイトの死に慣れちゃダメだとか…
平和が当たり前じゃないように、クラスメイトが死ぬ生活も当たり前じゃないとか…

そんなのどうでもいいよ。当たり前かどうかなんて。退屈じゃなければなんだっていいんだ。


…誰かが言っていたなぁ。
普通とは、ひどく退屈なことだって。

…俺もそう思うよ、父さん。

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